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【生物】動脈と静脈、動脈血と静脈血の違いは?

学習Q&A 生物
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動脈と静脈について

ここでは、動脈と静脈の特徴について解説します。

まず、動脈と静脈、動脈血と静脈血のイメージ図を見てみましょう。心臓から出た血管を通して、血液が全身を循環して、再び心臓に戻って来ることが分かります。ここで「動脈と静脈」「動脈血と静脈血」という言葉が出てきます。それぞれの意味と役割について考えましょう。

血液の循環を示したイラスト。
動脈と静脈、動脈血と静脈血がどのようにめぐっているかを示している。

ヒトは、毛細血管などを全てを含めると何と約10万kmになるといわれています。地球2周半に相当します。

この記事の解説には、「上肢」と「下肢」という語が出てきます。それぞれ身体の次の部分を指します。

上肢 … 肩甲骨から手の先までを含めた部分です。

下肢 … 大腿部(太もも)から足先までを含めた部分です。

動脈とは?

動脈とは、心臓から送り出される血液が流れる血管のことです。心臓の左心室から全身へと送り出されます。

成人の心臓は、1回の拍動によって約70mlの血液を送り出します。1分間の拍動数は、およそ70回なので、70ml × 70回 = 4,900ml になります。つまり約5L(5,000ml)が1分間に送り出される血液量になります。人間の体内にある全血液量も約5Lになります。これは体重の約7~8%になります。(数値は一般的なもので、個人差はあります)

心臓から続く動脈は「大動脈」といいます。そこから枝分かれしながら細くなっていって、最終的に毛細血管へと続いていきます。

全身や肺に向かって心臓から送り出した血液が流れるために、血管内部には高い圧力がかかります。このために血管の壁が厚くて、弾力性があります。

心臓から1分間で70回送り出されるので、1日で約10万回になります。どのくらいの圧力かというと、もし血管からそのままの勢いで血液が飛び出ると、成人の身長を超えるほどの高さになります。このように動脈は1日間、高い圧力にさらされ続けます。このような負担に耐えるために丈夫でなければなりません。

血管の壁は外側から、外膜、中膜、内膜の複数の層で構成されています。中膜は筋肉でできています。

大動脈の壁の厚さは約2mm~3mm、その他の動脈でも約1.5mm~3mmあります。

静脈とは?

静脈とは、心臓に戻る血液が流れる血管のことです。全身から心臓の右心房へと戻されます。

心臓から送り出された血液が全身を循環して、再び心臓に戻って来るまでにかかるまでの時間は、わずか20~30秒ほどです。

心臓に戻る静脈は「大静脈」といいます。

静脈には動脈にはない特徴があります。それは「(べん)」という機能です。血液の逆流を防ぐために多く存在しています。特に下肢のほうに多く見られます。このようにして、効率的に心臓へ血液を戻すことができます。

全体的には約2cm~4cmの間隔でついていますが、身体の場所によって異なります。例えば、下肢では間隔が狭く、約1cm~2cmの間隔でついています。上肢では間隔がもう少し広くなる傾向があります。

心臓に戻っていくので、動脈に比べて血管内部には低い圧力がかかります。このために血管の壁が薄く、弾力性が低いです。

血管の壁は外側から、外膜、中膜、内膜の複数の層と弁で構成されています。中膜は筋肉でできています。

大静脈の壁の厚さは約1mm~2mm、その他の静脈は約0.1mm~0.5mm程度あります。

動脈血と静脈血について

ここでは、動脈血と静脈血の特徴について解説します。

動脈血とは?

動脈血とは、心臓から全身に向かって、酸素や栄養素を運ぶ血液のことです。結果として静脈血よりも酸素の割合が多くなります。

一般的に、動脈血は酸素を豊富に含んでいるので、鮮やかな赤色をしています。

動脈血の酸素飽和度が約95%以上と高いです。酸素飽和度とは、ヘモグロビンのうち、酸素と結合している割合のことです。

なぜ動脈血は鮮やかな赤色になるのですか?

血液の成分の一つに赤血球があります。赤血球には「ヘモグロビン」という、鉄分を含む赤色のタンパク質が存在しています。ヘモグロビンは、酸素と結合する前は暗めの赤色をしています。これが酸素と結合すると化学反応によって鮮やかな赤色になります。このように血液は、酸素濃度によって、色あいが変化します。

動脈血は、主に以下の成分が含まれています。

名称役割
酸素肺から取り込まれた酸素が豊富に含まれています。
二酸化炭素細胞から排出された二酸化炭素も含まれていますが、酸素に比べて少量です。
老廃物少量含まれています。
栄養素消化管から吸収された栄養素(グルコース、アミノ酸など)が含まれています。
血液成分赤血球、白血球、血小板、血しょう(水分、ホルモン、抗体など)が含まれています。

静脈血とは?

静脈血とは、全身から心臓に向かって、二酸化炭素や老廃物を運ぶ血液のことです。結果として動脈血よりも二酸化炭素の割合が多くなります。

一般的に、動脈血は酸素の濃度が低いので、暗い赤色をしています。

静脈血の酸素飽和度が約60%~80%で、動脈血と比べて低いです。酸素飽和度とは、ヘモグロビンのうち、酸素と結合している割合のことです。

静脈血は、主に以下の成分が含まれています。

名称役割
二酸化炭素細胞からの代謝産物として血液中に多く含まれています。
酸素静脈血は一般的に酸素飽和度が動脈血より低いため、酸素の含有量は少ないです。
老廃物尿素やクレアチニンなどの代謝産物が含まれています。
栄養素消化管から吸収された栄養素の一部も含まれていますが、主に代謝産物や老廃物が多いです。
血液成分赤血球、白血球、血小板、血しょう(水分、電解質、ホルモン、抗体など)が含まれています。

動脈には動脈血、静脈には静脈血が流れている?

ここまでで、動脈・静脈、動脈血・静脈血について考えることができました。

動脈に流れている血液は動脈血、静脈に流れている血液は静脈血と考えて良いでしょうか?

結論からいうと、そうとは限りません。下の解説を見てください。

これを考えるために、この記事で出てきた語句をまとめてみましょう。

名 称意 味
動脈心臓から血液によって全身の組織や臓器へ酸素や栄養素を運ぶ血管【心臓から出ていく血管】
静脈全身から血液によって二酸化炭素や老廃物を心臓へ戻す血管【心臓へ戻る血管】
名 称意 味
動脈血酸素を多く含む鮮やかな赤色の血液
静脈血二酸化炭素を多く含む暗い赤色の血液

以上の条件を合わせると、次のような例外が発生します。

まずは、下のイラストを見てみましょう。

肺動脈と肺静脈について示したイラスト。肺動脈は静脈血、肺静脈は動脈血が流れていることを示している。

肺動脈は心臓から肺に送られる血管です。肺動脈を通っているのは静脈血です。全身を循環してきた静脈血は大静脈(直径2~3cmほどの太い血管)を通って右心房に戻ります。その後右心室から肺動脈を通って、肺に行きます。

全身 →(大静脈)→ 右心房 → 右心室 →(肺動脈)→ 肺

肺静脈は肺から心臓に戻される血管です。肺静脈を通っているのは動脈血です。肺を循環してきた動脈血は肺静脈(直径2~3cmほどの太い血管)を通って左心房に戻ります。その後左心室から、全身に行きます。

肺 →(肺静脈)→ 左心房 → 左心室 →(大動脈)→ 全身

以上のことをまとめると次のようになります。

血管の名称血液肺との関係
肺動脈
(心臓から出ているから動脈)
静脈血交換前なので、二酸化炭素を多く含む静脈血が流れている。
肺静脈
(心臓へ戻るから静脈)
動脈血交換後なので、酸素を多く含む動脈血が流れている。

血液の成分については、以下の記事をご覧ください。

【生物】血漿と組織液の違いは?
血液の成分である血しょうと組織液はどのような関係かを解説します。

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