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【生物】食物の分解 だ液の働きとは?

学習Q&A 生物
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消化とは

動物は、植物とは異なり光合成によって自らの養分を作り出すことはできません。そのため、自ら養分を取り入れること(食べる)によって、生命を維持しています。

食べた物は大きいので、そのままだと体全体に栄養を届けられません。それを細分化して栄養にする必要があります。そのために消化します。

食べたものを、血液中を移動できるほどの大きさまで微小に分解して、吸収できる状態にすることを消化という。

だ液は消化とどう関係しているのか?

食べると、砕いて小さくするために口を動かします。そのさい、口内では、だ液(つば)が出てきます。成分のほとんどが水分ですが、それ以外に消化するための必要な成分が含まれています。この消化するための成分が消化酵素(しょうかこうそ)です。

ヒトの場合、個人差はありますが、だ液は一日あたり約1リットル分泌されます。

だ液の中に含まれている消化酵素を、アミラーゼといいます。

ヒトの消化酵素は、アミラーゼ以外もあります。ここではアミラーゼのみを学習します。

アミラーゼは、デンプンという非常に細長い物質を麦芽糖などに分解します。さらに麦芽糖も、小腸でブドウ糖というより細かい物質に分解されます。

今の説明を、イラストで見てまとめてみました。

デンプンがアミラーゼの働きによって、麦芽糖に分解される。さらに小腸ではブドウ糖に分解される。
※デンプンが、麦芽糖、ブドウ糖へと分解されるイメージです。実際の形や色は関係ありません。
※アミラーゼがはさみで表現されています。実際の形とは関係ありません。

アミラーゼがまるではさみのように、デンプンを麦芽糖に分解していることが分かります。(小腸では、マルターゼが麦芽糖をブドウ糖に分解します。)

各用語の確認もしておきましょう。

デンプンとは、植物の光合成によって作られた有機物で、長い鎖のようにつながっている物質です。デンプンは、私たちよく食べるものにたくさん含まれています。小麦(パン・麺類)・米・豆・いも類などがあります。私たちは、毎日デンプンを取り入れて活動しています。

麦芽糖とは、糖の一種です。甘さは砂糖ほどではありませんが、ほんのりと甘さを感じます。麦芽糖はブドウ糖とよばれるものが2個つながった化合物です。

ブドウ糖とは、糖の一種です。干しブドウから発見されたので、この名称になりました。より専門的な用語として「グルコース」とも呼ばれます。

なぜデンプンを口内で分解するのか?

なぜ食物を体内に入れた直後に、分解する必要があるのでしょうか? それはデンプンは溶けにくい物質だからです。そのためになるべく初期の段階で少しでも分解する必要があるのです。

デンプンのまま体内に入っていくと、消化・吸収に悪いからです。そのため、まずだ液(口の中)によって、デンプンはある程度まで分解する必要があるのです。

食べ物をあんまり嚙まずに飲み込んだらどうなるの?

噛まないと、食べた物が、あっという間に口の中を通っていくので、だ液による分解が不完全なまま胃に流れていきます。胃を通過した後で、さらに別の場所でアミラーゼで分解される機会があります。しかし、だ液でしっかりと分解したときと比べると、アミラーゼによる分解の機会は少なくなってしまいます。分解が少ない分、分解できずに不要なものができやすく、それらは体外に出てしまって栄養になりません。やはり効率的に栄養にするためには、しっかりと噛んだ方が良いのです。

だ液の働きを確かめる実験

以下の4つの試験管を用意して、デンプンが何の働きによって何に変化しているかを確かめましょう。

4つの試験管を用いた実験。4つの試験管に、だ液や水をデンプンと混ぜて、ヨウ素液やベネジクト液との反応を見る。
  • A・Cにはだ液、B・Dには水を入れます。
  • A・Bにはヨウ素液、C・Dにはベネジクト液を入れます。
  • A・Bの試験管は、約40度のお湯に少なくとも5分間入れてあたためます。(だ液が活発になりやすい体温に近い温度にする)
  • C・Dの試験管は、ガスバーナーなどでしばらく加熱します。(突沸を防ぐため、沸騰石を入れます)
  • 色の反応を確認する。

実験の結果は以下のようになります。

以下のことを前提に結果を確認しましょう。
ヨウ素液は、デンプンが原因で青紫色に変わります。
ベネジクト液は、糖が原因で赤褐色(せきかっしょく)の沈殿ができます。

だ液デンプン溶液結果
(A)ヨウ素液麦芽糖に変化変化なし
(B)ヨウ素液デンプンのまま青紫色
(C)ベネジクト液麦芽糖に変化赤褐色の沈殿
(D)ベネジクト液デンプンのまま変化なし
このような結果になった理由ヨウ素液・ベネジクト液への反応
(A)デンプンはだ液の働きで、麦芽糖になったヨウ素液に反応無
(B)デンプンは水なので、デンプンのままだったヨウ素液に反応
(C)デンプンはだ液の働きで、麦芽糖になったベネジクト液に反応
(D)デンプンは水なので、デンプンのままだったベネジクト液に反応無

だ液に働きによって、デンプンが麦芽糖に変わったことが実験で証明された。

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