細胞とは
細胞とは何でしょうか?
細胞とは、生物を形作っている基本単位です。全ての生物は、細胞でできています。たった一つの細胞でできている単細胞生物もいれば、多くの細胞でできている多細胞生物もいます。例えば多細胞生物である人間は、60kgの体で37兆個や60兆個(計算方法によって結果が異なる)の細胞を持っていると推測されています。
細胞といっても全てが同じではありません。細胞には、さまざまな大きさ・形・役割があります。例えば、人間の体だけでも数百種類の細胞があって、それぞれが生命維持のための役割を果たしています。しかし、基本構造は同じです。この記事では基本構造について学習します。
生物細胞の大きさには、顕微鏡で観察しないと見えないような、ごく微小な細胞から目に見えるほどの細胞があります。一方、普段口にしている鶏の卵(正確には卵黄)がありますが、実はこれだけで大きな一個の細胞です。このように細胞にも様々な大きさがあります。
細胞と、細菌やウィルスの関係について
細胞は、単細胞生物なので生物の仲間です。自ら増殖できます。
ウイルスは、よく感染病などのイメージなどがありますが、実際はどんなものでしょうか。ウィルスは細胞自体に感染するもので、生物か非生物かというと微妙な存在です。ウィルスは細菌よりもはるかに小さいです。
このように比較すると、細菌とウィルスは別のものです。
動物細胞の特徴
では、動物細胞を詳しく見てみましょう。

※動物細胞には液胞はありますが、発達していないので、イラストには描かれていません。
全ての細胞が上のイラスト通りではないことを覚えておきましょう。さまざまな大きさ・形・役割の細胞がありますが、核や細胞膜といった基本的なつくりは共通しています。
- 核 … 遺伝に必要な情報(DNA・RNAなど)が入っています。
- 細胞膜 … 言葉の通り、細胞を包む膜のようなものです。
核と細胞膜は、植物細胞にも存在しています。
核は染色液を使って観察します。理由は、色を付けると核が観察しやすくなるためです。染色液としては、「酢酸カーミン溶液」や「酢酸オルセイン溶液」があります。
後から考える植物細胞と比べて、一見シンプルなように見えますが、決してそうではありません。もっと複雑な機能がありますが、ここでは核と細胞膜のみを学習しています。
植物細胞の特徴
では、植物細胞を詳しく見てみましょう。

先ほどの動物細胞でも考えたように、植物細胞にも核と細胞膜があります。
では、植物細胞にしかないものは何でしょうか? イラストからも分かるように以下のものになります。
細胞壁 | 細胞の形を保ちながら、からだを支えるため。 |
液胞 | 細胞が活動することによってできた水や物質などが入っている |
葉緑体 | 光合成をするため |
細胞壁・細胞膜の位置に注意しましょう。細胞膜の外側に細胞壁があります。
それぞれの機能を、詳しく確認してみましょう。
なぜ細胞壁があるのか? |
まず、植物には動物のように骨格がありません。しかし植物は基本的に地面から上へ伸びないといけません。このため自らの体を支える必要があります。このため細胞の形が崩れないようにしっかりとした形を保つ必要があります。 |
なぜ液胞があるのか? |
植物は自ら活動によって生まれた老廃物を外に出すことができないからです。動物は排泄行為によってそうすることができます。そのため細胞内に老廃物を蓄えておく機能として液胞があります。また、光合成によってつくった養分や生命活動に必須の水分も蓄えることもできます。 植物は動物と異なり、自らの意思で動き回って行動することができませんので、液胞は必要不可欠となってくるのです。 ちなみに、動物細胞でも植物細胞ほど発達していませんが、液胞は存在しています。 |
なぜ葉緑体があるのか? |
植物は動物と違って、光合成を行うからです。光合成は光(太陽光)をエネルギーにして、デンプンなどを作りだして、自らの栄養としています。植物は食べるために動き回れないので、光合成は大切なのです。葉緑体は光合成のための工場になっています。 |
このように細胞壁・液胞・葉緑体は植物細胞にしかありませんが、それぞれに植物細胞にしかない理由があります。
植物細胞と動物細胞に共通しているもの
まず、核と細胞膜が共通にあります。
さらに、植物・動物細胞に共通していることですが、細胞膜とその内側で核以外の部分を「細胞質」といいます。細胞質については「細胞において、核を除いた部分」と定義されています。
上の説明で考えると、以下のように整理することができます。
細胞質に含まれるもの | 液胞・葉緑体・細胞膜 |
細胞質に含まれないもの | 核・細胞壁(細胞壁は細胞膜の外側にあるから) |
細胞膜・細胞質・細胞壁と、似た言葉が出てくるので注意しましょう。
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