概要
セキツイ動物は魚類、両生類、ハチュウ類、鳥類、ホニュウ類に分類されますが、今回は体の表面がどのようになっているのかを解説します。
この記事では、爬虫類は「ハチュウ類」、哺乳類は「ホニュウ類」と、カタカナ表記を使って解説します。
セキツイ動物の体表を簡単にまとめると次のようになります。
| 動物の分類 | 体表 |
|---|---|
| 魚類 | ウロコ(鱗) |
| 両生類 | 湿った皮膚 |
| ハチュウ類 | ウロコ(鱗) |
| 鳥類 | 羽毛 |
| ホニュウ類 | 毛 |
それぞれのセキツイ動物について詳しく解説します。
魚類の場合
魚類の体表は、ウロコで覆われています。漢字では「鱗」と書きます。ウロコは魚類の真皮が変化した骨質の小片です。そのためにウロコは骨と同じようカルシウムなどでできています。大部分の魚類はうろこで覆われています。
ウロコは、屋根瓦のように、前方(魚の頭の方向)のウロコが、後方のウロコの上に重なるように配置されています。ウロコには円鱗や櫛鱗と呼ばれる形があります。
魚類のウロコは皮膚から独立しているために、強い刺激を加えると剥がれ落ちます。
また魚類にはウロコがない魚もいます。ナマズ、タチオウ、アンコウなどがそれに当てはまります。これらの魚は表面がぬめぬめとした粘液で覆うことによって体を守っています。
魚類のウロコはどのような役割を果たしているのですか?
ウロコには次のような役割があります。
①体を守る鎧のような役割をしています。外からの攻撃や衝撃を防ぎます。
②水分が出入りして、体内の塩分濃度を一定に保っています。
③骨と同じ成分で、必要なときにカルシウムとして体内に再吸収されます。
④水中を抵抗少なく効率的に泳ぐために、ウロコの形は役立っています。
両生類の場合
両生類の体表は、粘液で覆われた柔らかい薄い皮膚で覆われています。そのために皮膚は常に湿っています。これは表面に分泌腺や毒腺が多いためです。
両生類は成体になっても肺の機能が陸上動物ほど発達していないので、皮膚呼吸によって補っています。酸素を体内に吸収するために、湿っている液体部分で、いったん空気中の酸素を溶け込ませて、体内に取り込みます。
魚類やハチュウ類のようにウロコは持っていません(一部ウロコを持つ種も存在します)。
なぜ両生類にはウロコが無いのですか?
それは、両生類の皮膚が呼吸器官としての大切な役割を持っているからです。これを皮膚呼吸といいます。両生類は肺も発達していますが、皮膚呼吸も併用して呼吸しています。種にもよりますが、皮膚呼吸の割合は30%~70%に及びます。
ハチュウ類の場合
ハチュウ類の体表は、硬いウロコや甲羅で覆われています。魚類と同じようにウロコで覆われていますが、魚類のものとは異なってサラサラしています。
ハチュウ類のウロコは、人間の髪の毛や爪と同じケラチンと呼ばれるタンパク質からできています。
魚類のウロコとはどう違うのですか?
同じウロコでも、魚類のウロコとは全く異なるものです。
魚のウロコは骨が変化したもので、骨と同じ成分をしています。それに対してヘビやワニのハチュウ類のウロコは皮膚の表面が硬く変化したものです。そのためにウロコと皮膚は一体化しているために、魚類のウロコのように刺激を加えても剝がれ落ちません(例外もあります)。
魚類のウロコはどのような役割を果たしているのですか?
ウロコには次のような役割があります。
①体を守る鎧のような役割をしています。外からの攻撃や衝撃を防ぎます。
②乾燥に強くて、体内にある水分が蒸発することを防いでいます。
③ヘビのウロコ(腹側)は、地面を捉えて前進するために役立っています。
④色彩のパターンによって、周囲の環境に溶け込んで、外敵から守ってくれます。
ハチュウ類は脱皮します。これは成長と健康維持のために、古い皮膚を捨てて、新しい皮膚に置き換えるためです。新陳代謝のために脱皮は必要不可欠なものです。
例えば、ヘビは頭から尾まで筒状に裏返しながら一枚で脱皮します。成体のヘビは一般的には2~3か月に一度は脱皮するといわれています。また脱皮する前には前兆現象(目の白濁・体色の変化・食欲不振など)も見られます。トカゲの脱皮は、全身きれいに剝がれ落ちる全身脱皮や細かく剝がれ落ちる部分脱皮があります。カメの脱皮は皮膚の一部である甲羅が脱皮します。数日かけながら一枚ずつ剝がれ落ちる部分脱皮になります。
なお脱皮はハチュウ類以外でも、節足動物や両生類などに見られます。
鳥類の場合
鳥類の体表は、羽毛で覆われています。体に羽毛が生えているのは鳥類だけです。
鳥にとって翼は非常に大切な部位ですが、翼はほとんどが羽毛でできていて、たくさんの羽毛が重なり合って翼を形成しています。羽毛もケラチンからできています。
鳥は羽繕いすることによって羽毛を清潔に保ちますが、背中にある尾脂腺から分泌される油分をくちばしで取り、それを全身の羽を塗って防水性を維持します。また、一年に一回以上生え代わることによって、常に新しい羽毛をまとっています。これを換毛といいます。
羽毛はどのような役割を果たしているのですか?
羽毛には次のような役割があります。
①羽毛によって流線型が形作られ、飛行時の揚力や推進力を生み出し、空中での方向転換などができます。
②羽毛は空気の層は作り出し、体温を一定に保つ働きをします。
③体を保護したり、水が染み込んだりするのを防ぎます。
④羽の色や模様は、鳥同士のコミュニケーションの役立ちます。
羽毛はヒトの生活にも密接に入り込んでいて、保温性を生かして、寝具や衣類にも使われています。
ホニュウ類の場合
身近なイヌやネコなどを見ても分かるように、ホニュウ類の体表は柔らかい毛で覆われています。
毛はどのような役割を果たしているのですか?
毛には次のような役割があります。
①体温を一定に保つために必要です。特に寒い地域では、ホニュウ類の密集した毛が体温を逃さないようにしてくれます。
②紫外線や外部からの衝撃などから体表を保護してくれます。
③種による色合いの違いがあることによって、仲間かどうかを識別できます。また環境に溶け込んで、外敵から身を隠すのに役立ちます。
ヒトの場合
ホニュウ類の特徴といえば、毛で覆われていることですが、ヒトは頭部などの一部を除いてほとんど生えていません。霊長類の中でも毛がほとんど無いのはヒトだけです。
霊長類 … ホニュウ類の中の分類であり、サル、チンパンジー、ヒトなどを含むグループです。生物学的には「霊長目」と呼ばれています。霊長類には、高度な知能を持っていて社会性があること、手足が発達していること、脳が比較的大きいことなどの特徴があります。
なぜヒトには毛がないのですか?
これに関しては確定した説があるわけではありません。一説として、ヒトは体毛が無いことによって、効率よく発汗でき、体温を適度に下げることができるからのです。
ヒトがアフリカのサバンナなどの日差しの強い暑い地域で活発に活動するときに、長い距離を走るのに体毛があると、どんどん体温が上がっていって、すぐに熱中症を起こしてしまいます。たとえ汗をかいても体毛のためにうまく発汗できなくなってしまいます。

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