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【生物】植物の光合成と呼吸の関係

学習Q&A 生物
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植物も呼吸をする

私たちと同じように、植物も呼吸をしています。生きている限り昼も夜も呼吸をします。植物も細胞でできているので、細胞を活動させるためには酸素が必要だからです。

呼吸によって、酸素(O2)を空気中から取り入れて、二酸化炭素(CO2)をはき出します。

ヒトは肺呼吸なので、口から酸素と二酸化炭素の物質をやり取りをしていますが、植物はどこでそれをするのでしょうか?

呼吸によって二酸化炭素がはき出される

植物は、植物の体の表面に見られる気孔(きこう)で呼吸をします。気孔が開いたり閉じたりすることで、空気中にある酸素と二酸化炭素のやり取りが行われています。

気孔は、さまざまな物質が気体となって通過する穴で、葉の裏側に多くついています。

植物が本当に呼吸をしているのか実験で確かめてみましょう。

下のイラストを見てみましょう。

植物が呼吸しているかの実験。呼吸をしていれば、二酸化炭素をはき出すので、石灰水に通すと白くにごります。

袋の中に空気を入れました。明るいまたは暗い、植物が入っているまたは入っていないという組み合わせで、4パターンを用意しました。それぞれを一定時間放置してから、袋の中の空気を石灰水に通します。どんな結果になるでしょうか?

石灰水は、二酸化炭素に反応して白くにごります

光を当てるか袋の様子石灰水に通した結果
(A)当てない植物が入っている白くにごった
(B)当てない植物が入っていない変化なし
(C)当てる植物が入っている変化なし
(D)当てる植物が入っていない変化なし

実験の結果、(A)だけが白くにごりました。なぜ白くなったのでしょうか? それは、植物が呼吸をしたからです。呼吸によって二酸化炭素を吐き出しました。その結果、袋の中の空気も二酸化炭素が増えたのです。

ちなみに、植物が入っていない(B)や(D)は、植物がなくて呼吸もできないので、二酸化炭素は増えません。そのため石灰水は白くにごりません。

(B)や(D)のようにあえて植物がないものを用意して、石灰水が白くにごったことの原因が植物であることをはっきりさせました。他は完全に同じ条件にして、調べたい条件だけ異ならせた実験方法を対照実験といいます。

ここで、(C)の袋について次の疑問が生じます。

なぜ、植物が入っていて呼吸をしているのに、二酸化炭素が増えなかったのだろう。

それは、光が当たっていたからです。明るい時間帯は、植物は呼吸と同時に光合成もします。光合成のせいで、呼吸による効果は目立たなくなってしまったのです。

光合成によって呼吸が目立たなくなることについて、次の項目からさらに詳しく見てみましょう。

気孔のそのほかの役割については以下の記事をご覧ください。

【生物】植物の吸水と蒸散の関係
植物はどのように吸水して、蒸散しているのでしょうか? また、蒸散量の計算を使った問題をどのように解くことができるでしょうか?

光合成と呼吸はどのような関係か

植物は光合成をしています。動物は合成をしません。

植物は、どのように呼吸をしながら光合成をしているのでしょうか?

光合成とは、二酸化炭素(CO2)を取り入れて、酸素(O2)をはき出すことです。つまり光合成と呼吸は気体のやり取りが逆になります。この正反対のやり取りを同時進行にしないといけないのです。

次のイラストを見てみましょう。

昼間は植物は呼吸と光合成を同時にしている。ただし、呼吸よりも光合成の量の方が多く、呼吸は目立たない。夜間は呼吸のみとなる。

どんなことが分かりますか?

昼間は光合成の量の方が、呼吸の量よりも圧倒的に多くなります。呼吸はあまり目立ちません。そのために、全体としては二酸化炭素を入れて、酸素を出しているように見えます。(実際には呼吸と光合成は同時にしているので、酸素や二酸化炭素が同時に出入りしています)
曇りの日は太陽が出ていませんが、光がある程度届いているので光合成は行えます。

夜間は光がないので光合成は行われません。そのため、呼吸のみとなります。
ちなみに、夜間でも照明などを用いて人工的な光を作りだせば、光合成をします。

このように、植物は動物と違って、呼吸を24時間続けながら、明るい時間帯は光合成もしています。

植物が、光合成によって酸素をはき出してくれるおかげで、私たちは、酸素を取り入れながら生命を維持できます。今度は私たちがはき出した二酸化炭素を、植物は光合成によって取り入れてくれているのです。結果として、二酸化炭素と酸素のやり取りが地球規模で行われています。

光合成によって二酸化炭素がはき出される

光合成によって二酸化炭素が使われたことをBTB溶液で確認します。

BTB溶液は水の性質によって以下のように変色します。

酸性中性アルカリ性
BTB溶液の色黄色緑色青色

二酸化炭素は水溶液では酸性を示すので、二酸化炭素の量によってBTB溶液は変色します。次の表で確認してください。

二酸化炭素の量多い中間少ない
BTB溶液の色黄色緑色青色

これらのことを前提に実験を進めましょう。

  • 4つの試験管を用意して水を入れます。
  • 試験管の水にBTB溶液を入れます。最初は青色(アルカリ性)の保管されています。
  • 試験管の水に息を吹き込みます。はく息には二酸化炭素が含まれているので、やや酸性寄りの緑色(中性)に変わります。なぜわざわざ中性にするかというと、中性にすることによって、酸性かアルカリ性に変化したときに結果が分かりやすいからです。
  • 4つの内、2本に植物(オオカナダモなど)を入れて、2本は光が当たるようにして、一定時間放置します。
  • 以下のイラストのような組み合わせになります。
植物実験前のBTB溶液の色実験後のBTB溶液の色
(A)ありあり緑色(中性)青色(アルカリ性)
(B)ありなし緑色(中性)黄色(酸性)
(C)なしあり緑色(中性)緑色(中性)
(D)なしなし緑色(中性)緑色(中性)

このことから、(A)は二酸化炭素が減少したことが分かります。その理由は、(A)では光合成が行われたからです。光合成によって二酸化炭素が植物の中に取り入れられたからです。呼吸もしていますが、量が少ないので、光合成と比べて結果に影響を与えません。

また、(B)は二酸化炭素が増加したことが分かります。その理由は、(B)では呼吸だけが行われたからです。呼吸によって二酸化炭素がはき出されたからです。光合成はしていません。

さらに、(C)と(D)は、何も入っていないので変化はありませんでしたが、(A)と(B)が、本当に植物が原因によって色が変わったのかどうかを確かめるために、あえて用意します。(対照実験)

このように、光合成によって二酸化炭素が使われることが分かります。

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