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【地理】瀬戸内地域の気候 なぜ降水量が少ないのか?

学習Q&A 地理
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瀬戸内地域とは

瀬戸内地域(せとうちちいき)とは、九州、本州、四国に囲まれた瀬戸内海の沿岸地域のことです。

山口県、広島県、岡山県、兵庫県、愛媛県、香川県、徳島県などを含んでいます。

瀬戸内海とは?

瀬戸内海は日本最大の内海です。「瀬戸内海」という名称の歴史は比較的浅く、明治に入ってから一般的に受け入れられました。

実はこの海域を「瀬戸内海」と呼ぶという概念は江戸時代まではありませんでした。それまでは海域内の詳細な場所(播磨灘、安芸灘など)をそれぞれ呼ぶことはあったものの、一連の海域としてとらえることはありませんでした。明治に入って、外国人がこの海域を「The inland sea(内海)」と呼んだことから、それを翻訳して「瀬戸内海」と呼ぶようになりました。

瀬戸内海は島の多い海域です。大小1,000以上の島々が点在しています。また平均水深は38mと比較的浅い海域です。

瀬戸内海を中心として、北西は響灘(ひびきなだ)と周防灘(しおうなだ)に挟まれている関門海峡(かんもんかいきょう)、南西は豊後水道(ぶんごすいどう)、さらに南東は紀伊水道(きいすいどう)などを通して外洋である太平洋や日本海と繋がっています。

東西方向で約450kmもありますが、南北方向では約15~55kmしかない、細長い海域となっています。

内海とは … 陸地と陸地の間に挟まれて、一部分が外洋と繋がっている海域のことです。

瀬戸内海式気候の特徴

瀬戸内地域に見られる気候を「瀬戸内の気候」「瀬戸内地域の気候」「瀬戸内海式気候」などといいます。

他の地域と比較しても年間を通して降水量が少ないのが大きな特徴です。瀬戸内地域の年間平均降水量が約1,000mm~1,600mmです。日本の平均降水量が1,700mm以上といわれているので、それと比較しても少ないことが分かります。

また、梅雨の時期(初夏)と秋の時期に降水量が多少増えますが、8月などの真夏の時期は降水量が少なくなる傾向があります。このため水不足に陥ることがあります。

この地域の年間平均気温は16℃超える地域が多く、比較的温暖な地域といえます。(日本の年間の平均気温が約15.5℃です。)

このように、瀬戸内地域は気温や降水量の面から考えると、全国的に見ても過ごしやすい地域であることが分かります。

なぜ降水量が少ないのか?

なぜ瀬戸内海地域には降水量(雨や雪など)が少ないのか、まず地形から考えてみましょう。

下の地図を見てください。四国地方には四国山地、中国地方には中国山地があります。これらの両方の山地が2枚の壁のようになっており、その間に瀬戸内海が広がっています。これらの地形が降水量が少なさに関係しています。

四国山地と中国山地については以下にまとめてみました。

四国山地は、四国地方の中央部を東西方向に貫く山地です。長さは約250kmと短めですが、標高1,500mを超える険しい山々が連なります。中国山地と比べても険しいです。その中には西日本で最も高い石鎚山(いしづちさん / 標高1,982m)や剣山(つるぎさん / 標高1,955m)も含まれています。

中国山地は、中国地方の中央部を東西方向に貫く長い山地で、長さは約500kmです。標高は1,000m前後の比較的なだらかな山々が連なっています。その中には大山(だいせん / 標高1,729m)も含まれています。この山地を境にして日本海側の地域を「山陰(さんいん)」、瀬戸内側の地域を「山陽(さんよう)」ともいいます。

次に季節風について考えてみましょう。

日本の気候に大きな影響を与えるのが「季節風」です。夏は南東の季節風、冬は北西の季節風が吹きます。この季節風によって雨量が左右されます。

季節風発生のメカニズムについての詳しい解説は、以下の記事をご覧ください。

【天気】季節風はなぜ生じるのか? 偏西風との関係は?
なぜ季節風は生じるのでしょうか? 夏と冬の季節風の違いは? また季節風と偏西風はどのような関係があるのでしょうか?

例えば、夏に太平洋側から湿った南東の季節風が吹くと、太平洋側で雨が多くなります。逆に冬に日本海側から北西の季節風が吹くと、日本海側で雨や雪が多くなります。

このため、日本は年間の平均降水量が世界的に見ても多くなります。実際に住んでいると感じませんが、世界的に見ると比較的降水量が多い地域なのです。

次に断面図を見てください。これは日本海~中国山地~瀬戸内海~四国山地~太平洋の断面図です。

※この断面図の地形や天気はイメージです。
※この断面図の地形や天気はイメージです。

季節風は、1,000m~3,000mと比較的低い高度を吹く風です。このため季節風は山などの地形に大きく左右されます。日本列島は山がちな地形なので、それらの山々(中国山地や四国山地)が壁になって、そこに季節風がぶつかります。風が山にぶつかると、上昇気流が生じて、そこに雲が発生して、雨や雪が降りやすくなります。しかし降った後は水分を失った乾いた空気が山を越えていくために、山の反対側は天気が崩れにくくなります。

季節風や山地などの地形によって、瀬戸内地域では年間を通して降水量が少なくなります。

一方、偏西風は10,000m前後の高度を安定して吹く強い風です。飛行機が飛ぶ高度にもなっていて、通称「ジェット気流」とも呼ばれています。このように高い高度を吹くために、偏西風は山などには干渉されません。

上昇気流で雲が発生するメカニズムについては、以下の記事をご覧ください。

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