ブラックフライデーとは
ブラックフライデーとは、アメリカ合衆国の11月の第4木曜日に行われる感謝祭の翌日の金曜日のことです。年末まで続く商戦のスタートを切る大規模なセールの日となっています。この日は大幅に割引が行われるので、さまざまな商品をいつもより安く購入できる機会となっています。
以前は実店舗に行って買い物をすることが当たり前の光景でしたが、21世紀に入ってインターネットが普及すると、ネットショッピングをすることも可能になりました。近年アメリカでは実店舗よりもネットでの買い物の割合の方が上回ってきています。
感謝祭は、「サンクスギビングデー」や「サンクスギビング」ともいわれていて、主にアメリカやカナダなどで祝われる祝日のことです。この祝いは収穫に対する感謝と犠牲を捧げる日のことです。アメリカでは感謝祭については、1621年にイギリスの当時の植民地(現在のアメリカ合衆国マサチューセッツ州)に移住したピルグリム(清教徒)たちが、その地での初収穫を神様に感謝したことが由来とされています。感謝祭はアメリカでは11月の第4木曜日ですが、カナダでは10月の第2月曜日になります。
感謝祭の夕食メニューのメインは、詰め物をした七面鳥(ターキー)の丸焼きです。七面鳥は日本ではあまり馴染みがありませんが、北米を中心に広く分布しています。鶏の肉よりも脂身が少なくて、さっぱりとしているのが特徴です。
ブラックフライデーはいつでしょうか? 各年のブラックフライデーは次の日付になります。
| 年 | 十二支 | 日付 |
|---|---|---|
| 2025年(令和07年) | へび(巳) | 11月28日(金曜日) |
| 2026年(令和08年) | うま(午) | 11月27日(金曜日) |
| 2027年(令和09年) | ひつじ(未) | 11月26日(金曜日) |
| 2028年(令和10年) | さる(申) | 11月24日(金曜日) |
| 2029年(令和11年) | とり(酉) | 11月23日(金曜日) |
全て金曜日になるので、年によって日付が微妙に変わります。
アメリカで誕生した
1800年代後半にアメリカでは、多くの店舗が感謝祭のパレードを支援していました。感謝祭で売れ残った商品を一掃するために小売店のバーゲンセールが行われていましたが、パレード後に店舗で大規模なセールを始めたことが、ブラックフライデー誕生のきっかけになったと言われています。(この時点ではブラックフライデーという名称は付いていません)
感謝祭は、かつては11月の最終木曜日に行われていました。しかし1939年は、木曜日が5週目までありました。それに対して利益を出したい小売店の経営者たちはもっと早くセールを始めたかったために、当時のルーズベルト大統領に、感謝祭自体を1週間早めて第4木曜日にするようにお願いしました。大統領はそれに応じて、1941年以降、11月の第4木曜日に感謝祭を行うことになり、12月に入る前にセールを開始することができるようになりました。
フランクリン・ルーズベルト大統領とは … アメリカ合衆国の第32代大統領です。世界恐慌や第二次世界大戦時の大統領で、ニューディール政策や戦争特需の活用などによって、当時どん底に陥っていたアメリカ経済を立ち直らせたという評価があります。第二次世界大戦の連合国側の勝利を目前にして亡くなりました。重度の障害(39歳のときに発症したポリオの後遺症)を持ちながら大統領としての公務に取り組みました。
現在ではアメリカの多くの州で、感謝祭当日の木曜日を祝日としていますが、翌日の金曜日つまりブラックフライデーも祝日とすることによって、土・日曜日と合わせて4連休となっています。感謝祭を過ぎるとクリスマスまで残り1ヶ月となるので、大きな経済効果が見込めるクリスマス商戦への足掛かりとして、感謝祭翌日の金曜日をセールにすることには、経営側にとっては大きな意味があるのです。
なぜ「ブラックフライデー」と呼ばれるようになったのか?
ブラックフライデーという名称は時代とともに変遷しています。
もともとはアメリカ人にとってのブラックフライデーは、1869年9月24日金曜日にニューヨーク・ウォール街で起こった大規模な金融危機のことを指していました。ちなみに世界恐慌の1929年10月28日や世界的に株価が暴落した1987年10月19日のことをブラックマンデーといいます。このように「ブラック+曜日」の名称は、アメリカでは金融市場が大暴落した日に関連して使われています。
1896年の金融危機とは … ウォール街の金融業者たちが、巨額の利益を得るために金の大量購入を行って金の価格を不当に吊り上げて、それらを一気に売り払って利益を得ようとしたことから、金市場が暴落して、それが株式市場にも波及して金融市場が混乱しました。
第二次世界大戦後、感謝祭翌日のセール目当ての買い物客に加えて、翌日土曜日のフットボールの試合(Army-Navy Game)に備えてやって来た観戦客とともに、街には大勢に群衆であふれて大混乱に陥り、警察官が休みが取れないほど仕事が増えていきました。特に1961年の感謝祭翌日にフィラデルフィアの警察官たちが、あまりの激務から、この日を最悪の一日という意味を込めて「ブラックフライデー」と呼び始めたといわれています。つまりこの頃までは一般的に「ブラック~」という表現は、ネガティブな意味で使われていたのです。
フットボール試合「Army-Navy Game」(アーミーネイビーゲーム)とは … 陸軍士官学校と海軍士官学校によるアメリカンフットボールの定期戦のことで、両士官学校からのほぼ中間地点にあるフィラデルフィアで行われることが一般的です。過去には感謝祭直後の土曜日に行われていましたが、現在では12月に開催されています。この試合には歴代の大統領もしばしば観戦に訪れています。またアメリカのテレビネットワークでも全米の放送されるほど注目されています。
しかし、フィラデルフィアではこの名称がセールの日と絡めて浸透していきました。そしてブラックフライデーはセールの日とイメージされるようになりました。しかしもともとはネガティブな意味での呼び方であったために、「ビッグフライデー」という名称にしようという動きもありましたが、これは定着しませんでした。
これに対して、1981年にフィラデルフィアの新聞が「ブラックフライデー」について「小売店が黒字になる日」であるという解釈を発表してから、「ブラック」が黒字(利益が出ている)を意味するものと理解されるようになり、ブラックフライデーという表現がポジティブな意味でも使われるようになりました。
こうして1980年代以降は、アメリカ全体でもブラックフライデーという名称が、感謝祭翌日のセールの日として認知されていくようになりました。
英語で黒字は、「in the black」(黒字)などと表現されます。ちなみに赤字は「in the red」になります。例えばこのような使われ方をします。「The company is in the black this fiscal year. 」(和訳:その会社は今年度は黒字です)
日本における歴史
もともとブラックフライデーはアメリカの習慣でしたが、日本でも近年定着してきています。日本では2014年(平成26年)にアメリカ大手玩具チェーン「トイザらス」が国内店舗で開催したことが最初といわれています。
日本での歴史はまだまだ浅いのですが、その後イオンや楽天などの大手も参入し始めたことによって、国内にも急速に広まっていっています。日本のみならずヨーロッパやアジア各国にも広まっています。
これまでは11月は年末商戦を控えて小売業の売り上げが落ちるといわれていましたが、そのような状況を打破するために多くの企業でブラックフライデーのセールが開催されています。


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