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【公民】請求権とは? 請願権との違いは?

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請求権とは

請求権とは、ある特定の相手に対して一定の行為や金銭などを要求できる法的な権利のことです。どのようなときにこの権利を行使するのでしょうか? それは、何らかの原因で人権が侵害されたときです。

日本国憲法では、どのような請求権があるでしょうか?

請求権には次の権利などが含まれます。

  • 憲法第17条 … 国家賠償請求権
  • 憲法第32条 … 裁判を受ける権利
  • 憲法第40条 … 刑事補償請求権
    請求権に、請願権が分類されることもあります。

請求権の3つの権利について

請求権を詳しく見てみましょう。請求権に含まれている「国家賠償請求権」「裁判を受ける権利」「刑事補償請求権」の3つの権利について考えます。

国家賠償請求権とは

国家賠償請求権とは、公務員の不正行為などによって故意または過失によって損害を受けた場合に、公務員本人の代わりに、国や地方公共団体などに賠償責任を求めることができる権利です。

故意過失とは … 「故意」とは結果を知りながら、意図的に(わざと)ある行為をすることです。これに対して「過失」とは結果を知りながら、注意を怠ってある行為をしてしまうこと。

日本国憲法の中では、国家賠償請求権は次のように保障されています。

何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。
日本国憲法第十七条

実際にどのようなケースで国家賠償請求権が行使されているでしょうか?

  • 国が行った事業によって発生した公害による健康被害
  • 予防接種によるB型肝炎などの健康被害
    など

裁判を受ける権利とは

人権を侵害されて、個人の力で解決することが困難な場合は、裁判に訴えることによって、法に基づいて公正に判断してもらうことができます。これらの手続きは裁判所で行うことができます。このような権利を「裁判を受ける権利」といいます。

この権利は誰にでも保障されています。日本国民はもちろんですが、外国人も含めて日本に住む人は誰に対しても、この権利が保障されています。

日本国憲法の中では、裁判を受ける権利は次のように保障されています。

何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
日本国憲法第三十二条

しかし、日本の場合は、裁判を受けるための費用や時間がかかるので、裁判に訴えるのにハードルが高いという現実があります。これらの問題を解決するためにはどのような救済措置があるでしょうか?

  • 国選弁護制度 … 刑事訴訟において、被疑者・被告人が、弁護士費用の負担が困難な場合に、裁判所の方で弁護人を選任する制度です。通常は費用は国負担となります。
  • 法テラス … 国が設置した法人で、2006年から運用されている。トラブル解決のための情報を得ることができる。また弁護士・司法書士に依頼をするさいに、費用を立て替えることもできる。刑事訴訟・民事訴訟ともに扱っている。

刑事補償請求権とは

刑事補償請求権とは、刑事事件の犯人として逮捕されて抑留や拘禁された人が、裁判で無罪判決になったり、有罪判決を受けた人がやり直し裁判で無罪判決になったりした場合に、補償を求めることができる権利です。そのような人は、一定の期間拘束されて自由な生活を奪われてしまうので、その期間に応じて補償を求めることができます。

日本国憲法の中では、刑事補償請求権は次のように保障されています。

何人も,抑留又は拘禁された後,無罪の裁判を受けたときは,法律の定めるところにより,国にその補償を求めることができる。
日本国憲法第四十条

実際にどのようなケースで刑事補償請求権が行使されているでしょうか?

  • 殺人事件で有罪判決を受けたものの、やり直し裁判で無罪となった人物に対して、賠償金を支払う(拘束されていた期間に応じて支払われる。賠償金が億単位になったこともある)
    など

請求権と請願権の違いは何か?

請求権と似たような権利として請願権というものがあります。請求権と請願権との違いについて考えましょう。

請願権とは、市民が国や地方公共団体に対して、特定の問題に対して改善や措置を求めるために、意見や要求を伝えることができる権利のことです。求められた側は誠実に応じる必要がありますが、法的な拘束力はありません。

日本国憲法の中では、請願権は次のように保障されています。

何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人もかかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
日本国憲法第十六条

さらに、請求権と請願権の違いを表で確認しながら違いを見てみましょう。

参政権と請求権にはそれぞれどのような権利があるかを示した図

請願権は、「国務請求権」といって請求権に分類されることもありますが、請願権の性質から参政権に分類されることもあります。この分類に関しましては、教科書や資料によって見解が異なりますので注意してください。

どちらの権利も「基本的人権を守るための権利」(この権利の名称には決まった言い方はありません)の中に含まれています。この権利の中には参政権と請求権が含まれています。

基本的人権を守るための権利とは … 基本的人権を守り、尊重されることを確実にするための法的な仕組みや手続きのことです。参政権や請求権に分類することができます。

参政権とは … 政治に参加する権利のことです。具体的には、選挙権・被選挙権・国民審査権・住民投票権・国民投票権などに分類することができます。(請願権の分類については、上記を確認してください)

まとめ

請求権と請願権の違いをまとめてみました。

請求権
内容特定の相手に対して、何らかの行為や金銭などを求めることができる権利。 
どんなとき権利が侵害されたときに行使できる。
法的には法的拘束力があります
方法権利を主張して、解決のために裁判所に訴えを提出することも可能です。

 

請願権
内容国や地方公共団体に対して、特定の問題に対して意見や要求を伝える権利。
どんなときいつでも権利を行使できる。
法的には法的拘束力がありませんが、求められた側は誠実に対応するように努めます。
方法法律や政策の変更を求める・特定の問題について対応を求める など

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