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【雑学】4月11日 メートル法公布記念日

雑学Q&A
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どんな記念日

1921年(大正十年)4月11日に、世界的に普及していた単位であるメートルやキログラムなどを使うことに関して、メートル法の採用を法律で定めた「改正度量衡法」が日本で公布されたことを記念する日です。しかしこの日で旧来の単位からメートル法に変わったわけではありません。日本でのメートル法の普及は多くの時間を要したのです。

日本とメートルにはどんな歴史があったのか見てみましょう。

フランスで誕生した単位

長い歴史の中で長さの単位に使われてきたのは人体でした。例えば、古代文明では国王などの権力者の腕のひじ部分から指先までを「1キュビト」としていました。そのため、長さは地域によって異なったので、不安定なものでした。しかしその後も長い期間にわたって、人体を基準とした単位が使われてきました。しかし、人体の一部という相対的なものを基準にしているので、同然不都合が出てきます。

18世紀にヨーロッパを中心として工業化が進み、産業革命が始まると、広範囲で通用するような単位の必要性が出てきました。このような中でフランスでは新たな単位が登場しました。

1789年に勃発したフランス革命の混乱がまだ収まらない中、1790年5月に数学者のルブロンという人物が、長さの基本単位に「メートル」という名称を提案しました。これは、地球の子午線の距離の4,000万分の1を1メートルと定めた単位だったのです(子午線の赤道から北極までの距離の1,000万分の1)。

子午線 … 地球上で北極と南極を結ぶ半円状の大きな曲線のことです。この線は赤道と直角に交差します。

1799年12月にフランスで正式に採用されましたが、フランス国内でもそれまでの慣れ親しんだ単位からすぐに切り替わることはありませんでした。メートルを普及させるために、1867年のパリ万博などでも広報活動が行われました。

1875年(明治八年)にメートル法普及のためにメートル条約が締結されます。これは長さの標準を提供することを目標としました。フランスは各国へ条約に加盟するように勧誘します。そして明治維新真っただ中の日本にも声がかかります。

メートル条約 … メートル法を国際的に確立し、維持することを目的として、パリで17ヶ国によって締結された多国間条約です。現在(2025年)は64ヶ国が加盟、37ヶ国が準加盟しています。

明治時代に入ってきた

日本では、江戸時代以前から尺貫法しゃっかんほうが使われてきました。「尺」は長さの単位、「貫」は質量の単位のことですが、以下に尺貫法による長さの単位だけをまとめてみました。

尺貫法 … 古代中国で統一された度量衡が基礎となり、日本を含めて東アジアに広まりました。日本では独自の単位なども加えて発展してきました。

単位メートル法に換算目安
1里 = 3.9273km1里=36町
ちょう1町 = 109.09m1町=60間
じょう1丈 = 3.0303m1丈=10尺
けん1間 = 1.8182m1間 = 6尺
しゃく1尺 = 30.303cm3尺 = 1m
すん1寸 = 3.0303cm1寸 = 1/10尺
1分 = 3.0303mm1分 = 1/10寸

メートル条約の加盟がすすめられたものの、日本はその誘いを見送っていましたが、フランスから原器を受け取ることをきっかけとして、1885年(明治十八年)日本はメートル条約に加盟します。

その後メートルを普及させるために、1891年(明治二十四年)に度量衡法どりょうこうほうが公布されました。

度量衡法とはどんな法でしたか?

それまでの単位である尺や貫は、メートル原器から換算する方法を採用しました。しかし同時にメートル法の計量も認めるという、二元的な単位体系と採ることになりました。

度量衡法は、実質的に尺貫法とメートル法の共存を認めたものでしたが、当時の日本の実態を考えるとやむを得ないことでした。この法は、メートル法の本格導入までの日本の計量制度を支えるものとなったのです。

大正時代に統一が図られる

第一次世界大戦以降の日本の経済成長と工業化に伴って、貿易も活発になっていきます。日本の製品が海外で通用するために、工業品の規格統一を進めることが必要になりました。

1921年(大正十年)4月11日に、メートル法を基本とする改正度量衡法の公布が行われ、1924年(大正十三年)に施行され、メートル法への統一を目指しました。ただしこのときも、従来の度量衡を当分の間使用するための猶予が定められました。

つまり法は改正されたものの、これによって日本にメートル法が一気に広まることになったのではなく、あくまでも将来的な本格導入を目標としていたのです。

法改正後は、尺貫存続のための運動が起こり、さらに軍国化による国家主義の台頭と戦争による混乱の中で、猶予期間は何度も延期され、事実上無期延期となってしまいます。

学校教育や官公庁などではメートル表記が進められましたが、世間ではなかなか浸透しませんでした。日常生活(商取引など)では、相変わらず尺貫法が使われ続けました。

戦後になってようやく統一された

戦後になって日本が立ち直ってきた頃、日本が海外で活躍していくためには、単位の統一は不可欠でした。

1951年(昭和二十六年)に度量衡法が廃止され、計量法(旧計量法)が制定されます。実施までの猶予期間が設けられた後、1959年(昭和三十四年)1月1日に、メートル法が完全に実施されました。日本にメートル法が紹介されてからおよそ50年を要しました。

ついに尺貫法は旧来の単位として法定単位として廃止されました。しかし現在でも建築現場などでは尺貫法の方が使われることもあって、昔の名残が見られます。

その後、幾度の改正を経て、1992年(平成四年)の全面改正(新計量法)では、国際単位系(SI)の全面導入が図られました。ちなみに新計量法が施行された、1993年(平成五年)11月1日を記念して、11月1日は「計量記念日」とされています。

SI単位 … SIとは「国際単位系」のフランス英語表記(Système International d’unités)の略称で、メートル法を基本とした単位系です。これらの既存の単位を見直すときは、BIPM(国際度量衡局)という国際的なメートル法を維持するための組織で検討が行われます。

2024年(令和六年)の一部改正では、技術基準や審査等の運用に関わる改正が行われ、計量器メーカーや検定事業者は対応に追われました。

メートルを導入していない国もある

2019年現在、メートル法を導入していない国は、アメリカ合衆国、リベリア、ミャンマーだけです。しかしアメリカ以外では、メートル法を目指すための動きが見られています。実質メートル法で取り残されたのはアメリカだけになります。

アメリカは世界で最も影響力がある国でありながら、メートル法よりもヤード・ポンド法といった単位が主流です。しかし、国としてはメートル法も正式に採用しています。そのために科学・軍事・医療といった専門分野では、国際標準(SI単位)に合わせてメートル法が採用されています。一方、日常生活ではヤードが幅広く使われていて、国の中で単位が混在しています。

アメリカでメートル法が浸透しない理由としては、切り替えるためのコストが莫大にかかること、大国としてプライドがあってフランス発祥のメートル法に順守したくないこと、などがあるといわれています。

日本でもヤードが使用されていますか?

ゴルフのコースの長さの距離の単位として使われています。ゴルフはイギリス発祥のスポーツですが、当時のイギリスはヤードが主流だったのです。現在多くの国ではメートルを採用していますが、日本はアメリカと同じようにヤードを使い続けています。

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