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【天気】季節風はなぜ生じるのか? 偏西風との関係は?

学習Q&A 天気
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季節風とは

季節風は時期(季節)によって方向が変化する風のことです。季節風はモンスーンとも呼ばれています。

モンスーンとは … アラビア語で「季節」を意味する言葉に由来していて、季節によって方向が変化する風のことです。「季節風」と同じ意味です。

季節風は世界の中でも、南アジア(インドなど)・東南アジア・東アジア(日本など)のアジア地域に大きな影響を与えます。条件が整えば世界中で吹いている風ですが、アジアではこの風の影響が顕著に出ます。このため日本も季節風の影響を年間を通じて強く受けています。

なぜ季節風が生じるのか?

この風は大陸と海洋の気温の違いによって生じます。この気温の違いが気圧の違いを生み、気圧の違いが風を生じさせます。この仕組みについて解説します。

なぜ大陸と海洋で気温差ができるのか?

物質の状態では、固体・液体・気体の順番で暖まりやすく冷えやすくなります。固体は原子・分子がお互いに近いので、熱が伝わりやすくなります。一方で液体は原子・分子が固体よりも離れているので、熱が伝わりにくくなります。

つまり固体である岩石や土などでできているユーラシア大陸は、液体である海水の太平洋よりも暖まりやすく冷えやすくなります。こうして大陸と海洋で温度差が生じます。

その結果、暑い夏はユーラシア大陸の方が太平洋よりも暖まりやすくなり、寒い冬はユーラシア大陸の方が太平洋よりも冷えやすくなります。

気温は気圧にどんな影響を与えるか?

気温と気圧には密接な関係があります。ではどのように気温から気圧に変化を生じさせるのか考えてみましょう。

空気は暖められると、空気を構成する分子の動きが活発になり、分子と分子の間隔が広くなります。その結果密度が小さくなります。こうして軽くなった空気は上昇していきます。このため地表付近では気圧が低くなります。つまり気温が上がると気圧が低い状態(低気圧なります。

逆に空気は冷やされると、空気を構成する分子の動きがにぶくになり、分子と分子の間隔が狭くなります。その結果密度が大きくなります。こうして重くなった空気は下降していきます。このため地表付近では気圧が高くなります。つまり気温が下がると気圧が高い状態(高気圧なります。

気圧は風向きにどんな影響を与えるか?

気温から空気の密度が変化することによって、低気圧は上昇気流高気圧は下降気流になります。これを地上付近で繋げると高気圧から低気圧に向けて風が流れることが分かります。

高気圧は下降気流、低気圧は上昇気流であることを示すイラスト。

気温上がる → 気圧下がる → 上昇気流 → 風が吹き込む
気温下がる → 気圧上がる → 下降気流 → 風が吹き出す

このように、夏は暖まりやすい大陸へ向けて風が吹きます。冬は冷えやすい大陸から風が吹いてきます。南アジア・東南アジア・東アジア付近の季節風は下の地図のようになります。

夏の季節風がアジアでどのように吹いているかを示した地図。
冬の季節風がアジアでどのように吹いているかを示した地図。

  

季節風は夏と冬ではどのように吹くか?

日本付近では、夏と冬の季節風はどのように吹くでしょうか?

夏の季節風とは

夏は太平洋と比べるとユーラシア大陸の方が暖まりやすいために、ユーラシア大陸の方が気圧が低くなって、太平洋の方が気圧が高くなります。風は気圧が高い方から低い方に向かって流れるために、南東の季節風が日本列島を吹き抜けます。

地図で確認してみましょう。

夏の季節風が日本列島付近をどのように吹いているかを示した地図。

ユーラシア大陸は大規模な低気圧、太平洋は大規模な高気圧ができています。海洋から大陸に向かって暖かく湿った風が吹いています。そのため日本の夏は高温多湿になります。

冬の季節風とは

冬は太平洋と比べるとユーラシア大陸の方が冷えやすいために、ユーラシア大陸の方が気圧が高くなって、太平洋の方が気圧が低くなります。風は気圧が高い方から低い方に向かって流れるために、北西の季節風が日本列島を吹き抜けます。

地図で確認してみましょう。

冬の季節風が日本列島付近をどのように吹いているかを示した地図。

ユーラシア大陸は大規模な高気圧、太平洋は大規模な低気圧ができています。大陸から海洋に向かって冷たく乾燥した風が吹いています。

冬の季節風が日本の気候に与える影響については以下の記事をご覧ください。

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偏西風とは

偏西風は季節風とは全く異なる風で別々に吹いています。

偏西風は、地球規模の風で西から東に向かって吹く帯状の風です。南半球・北半球ともに中緯度帯(南緯・北緯30度~65度)に年間を通して吹いています。このため中緯度帯に属する日本は一年中偏西風の影響を受けます。

偏西風は蛇行していますが(下の地図)、蛇行の仕方は時期や年によって異なります。また場所によっても一定のパターンで蛇行しているわけではありません。この蛇行の仕方によって日本の気候は大きな影響を受けます。

世界の中で偏西風がどのように吹いているかを示した地図。

日本の天気が基本的に西から東に変わったり、ユーラシア大陸に向かっていた台風が急に日本に向けて東に方向を変えたりする原因は偏西風によるものです。季節風とともに日本の気候に大きな影響を与えています。

偏西風が台風の進路に与える影響については以下の記事をご覧ください。

【天気】なぜ台風は日本に向かって来るのか?
台風が日本にやって来る要因である偏西風と太平洋高気圧について解説します。

季節風と偏西風の関係

季節風と偏西風について学習すると、こんな疑問が生じるかもしれません。

風向きの異なる季節風と偏西風は一緒に吹くと風が混ざったりぶつかったりしませんか?

季節風と偏西風では、吹く高度が違うので干渉することはありません

季節風は地上付近の低い所を吹く風ですが、偏西風は5,000~10,000メートルの高度を吹く風です。つまり高度が全く別々のところを吹いているので、お互いに干渉することはありません。

日本付近の気団については以下の記事をご覧ください。

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