塩化銅水溶液とは?
塩化銅水溶液とは、塩化銅を水に溶かした青色の水溶液です。
なぜ塩化銅水溶液は、青色に見えますか?
その理由は、銅イオン (Cu2+) が青色だからです。銅イオンは赤系の色を吸収する性質があるために、それ以外の色である青系の色が目に届くからです。つまり、銅イオン自らが青い光を発しているわけではなくて、赤い光を吸収したために、残った青い光が見えている状態なのです。
このことから水溶液中の銅イオンが多いと青色が濃くなり、銅イオンが少なくなると青色が薄く見えます。
イオンについては以下の記事をご覧ください。

塩化銅は水溶液中では、銅イオン (Cu2+) と塩化物イオン (Cl-) の形に分かれますが、これを電離といいます。銅イオンは2価の陽イオン、塩化物イオンは1価の陰イオンになります。それぞれの物質は陽イオンになるか陰イオンになるか決まっています。
電離を式に表すと以下のようになります。
CuCl2 → Cu2++2Clー
どのように電気分解されるか?
塩化銅水溶液に電流を流すとどのような変化が起こるでしょうか?
この実験をするために、電源装置、2本の電極 (炭素棒)、塩化銅水溶液が入ったビーカーを用意します。電源装置の+極につながれた方が陽極、ー極につながれた方が陰極になります。また水溶液中では、陽極と陰極がくっつかないように注意します。
炭素棒を使用する理由は、炭素は電極付近に発生する塩素と反応しにくく、耐久性があるからです。そのために電極が溶け出してしまうことがありません。さらに、炭素以外にも白金などの素材がありますが、高価なので炭素を使います。ちなみに、シャーペンや鉛筆の芯も炭素でできているので代用可能です。
電気分解の仕組み

陽極で受け取った電子が陰極に向かって流れていき、陰極で銅イオンが受け取る流れができていることが分かります。このとき電流は逆の流れになります。
電気分解を式で表すと以下のようになります。
CuCl2 → Cu + Cl2
それでは各極で起こっていることについて見てみましょう。
陽極
電極に電圧をかけると、塩化物イオンが陽極に引き寄せられます。極に塩化物イオンが集まると、塩化物イオンが電子を1個放出してを陽極に与えます。
電子を放出した塩化物イオンは塩素原子になります。さらに2個の塩素原子が集まって、1個の塩素分子になります。
陰イオンは陽極に引き寄せられる
Clー → Cl + eー
Cl【塩素原子】が2個集まる → Cl2【塩素分子】になる
電極表面には、気体 (塩素) が発生します。塩素特有の刺激臭 (プールの臭い) がするので、臭いで確認することができます。さらに塩素には脱色作用つまり色を消す働きがあります。陽極付近に赤インクなどをたらすと、色が消えることから確認できます。
陽極には塩素が発生する(泡が発生する)
陰極
電極に電圧をかけると、銅イオンが陰極に引き寄せられます。極に銅イオンが集まると、銅イオンが陽極からやって来た電子を2個受け取って銅原子になります。
陽イオンは陰極に引き寄せられる
Cu2++2eー → Cu
電極表面には、赤色の銅が付着します。これを乳棒などでこすると金属光沢が発生します。このように液体に溶けていた物質が固体として現れる現象を「析出」といいます。銅はイオン化傾向が小さい (イオンになりにくい) 金属なので、析出します。
陰極には銅が付着する
【補足】電気分解と電池の違いは?
電気分解と電池は似ているようで違いがあります。電池は「自発的な化学反応で電気を取り出す装置」のことで、電気分解は「外部から強制的に電気を与えて化学反応を起こして分解反応を引き起こす」ことです。
言い換えると、電池は自らが電流を流す装置 (能動的) ですが、電気分解は電池などの電源があることによって反応 (受動的) が起こります。
【補足】正極・負極・陽極・陰極について
正極 … 電池の電子を受け取る (得る) 電極【還元反応】
負極 … 電池の電子を放出する (失う) 電極【酸化反応】
※還元反応 … 物質が電子を受け取ること(酸素を失う)
※酸化反応 … 物質が電子を失うこと(酸素を受け取る)
陽極 … 電池の正極とつながっている側の電極
→ 電子を放出する (得る) 電極【酸化反応】
陰極 … 電池の負極とつながっている側の電極
→ 電子を受け取る (失う) 電極【還元反応】
※還元反応 … 物質が電子を受け取ること(酸素を失う)
※酸化反応 … 物質が電子を失うこと(酸素を受け取る)
正極・陽極と負極・陰極では、電子に関する反応が正反対なので注意しましょう。


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