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【化学】同位体とは?

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学習Q&A 化学
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概要

同位体とは、同じ原子番号を持っているが、中性子の数が異なる原子のことです。つまり同じ元素なのに、中性子の数が異なっているのです。英語で同位体は「アイソトープ(isotope)」といいます。

以下のイラストで見ると分かりますが、原子は、陽子と中性子からなる原子核があって、そのまわりに電子が配置されています。同位体の場合、中性子の数が異なるので質量数も異なります。

質量数 … 原子核を構成する陽子数と中性子の数を足した整数のことです。質量数を書くときは元素の左上に小さく数字で表します。【陽子数 + 中性子数 = 質量数

電子は非常に軽く、原子全体への質量にほとんど影響を与えないので、質量数の計算には含めません。ちなみに電子の質量は陽子・中性子の約1800分の1程度しかありません。

原子の構造について詳しい解説はこの記事のリンクをご覧ください。

この記事では、水素同位体炭素同位体について取り上げます。水素と炭素の陽子数について確認しておきましょう。

下の周期表を見ると、各元素には原子番号が付いています。原子番号は陽子数と等しいので、「原子番号 = 陽子数」と考えてください。つまり水素(H)の陽子数は「1」炭素(C)の陽子数は「6」になります。これらの数字と中性子の数を合わせて質量数を計算します。

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安定同位体と放射性同位体

同位体には安定同位体と放射性同位体があります。

次のように定義することができます。

安定同位体 …… 放射線を出さずに崩壊しない同位体
放射性同位体 … 時間の経過とともに崩壊して放射線を出す同位体
         ラジオアイソトープとも呼ばれます。

放射性同位体は不安定なので崩壊しますが、このときに放射線(粒子物資や電磁波)を出しながら壊れます。そうすると他の原子に変わってしまうことがあります。ちなみに放射性同位体が放射線を出す性質のことを放射能といいます。

これから考えるいくつかの理由により、放射性同位体は放射線を出しながら崩壊していきます。ある一定数の集団の放射性同位体の数が半分にまで減少するまでの時間を半減期といいます。半減期は放射性同位体の種類によって全く異なり、特有の数字を持っています。しかし、不安定な放射性同位体が崩壊するスピードは、それぞれの原子に個性があるように異なります。あっという間に崩壊が進むものがあれば、ゆっくりと崩壊が進むものがあるのです。

なぜ放射性同位体は放射線を出すのですか? どんな放射線がありますか?

一つ目の理由としては、原子核の中に陽子と中性子が多くなりすぎることです。多くなると重くなってまとまりがなくなり、安定を保つために、ヘリウムの原子核(質量数4・原子番号2)を放出してしまいます。これをα崩アルファといい、出てくる放射線をα線といいます。

結果として、質量数は4と原子番号は2減少して、別の原子になります。

二つ目の理由としては、通常の原子の原子核には、陽子と中性子が同じ数だけ入っています。仮に狭い原子核に陽子だけしかないと、プラスの電気を持っている陽子同士で反発し合って、原子核はバラバラに壊れてしまいます。

そこで、電気を持たない中性子があることによって、バラバラならないようにバランスを保っています。しかし、陽子と比べて中性子の数が多くなると、今度は力のバランスが崩れて原子核は不安定になります。

このときに中性子が、自身に含まれる電子(陽電子)を放出して陽子になることによって、陽子数と中性子数が同じになろうとします。これをβ崩ベータ といい、出てくる放射線をβ線といいます。

結果として、質量数は変化しませんが、原子番号は1増加します。

三つ目の理由としては、α崩壊やβ崩壊をした直後の原子核はエネルギーが高い状態になっていることが多く、余分なエネルギーを放出します。このように原子核が波長の短い電磁波を出すことを、γ崩ガンマ といい、出てくる放射線をγ線といいます。

結果として、質量数や原子番号は変化しません。


なぜ放射性は危険なのですか?

放射性物質が発する放射線が人体を通り抜けるとき、細胞のDNAを傷つけて、がんや白血病などの健康被害を引き起こす可能性があるためです。放射線は自然放射線と人口放射線があります。誰もが日常的に少量の自然放射線を受けていますが、その程度であれば健康には問題にならないといわれています。すべての放射性物質が人体に危険なわけではありません。

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水素の場合

水素の同位体は以下のものがあります。以下にあげたものは天然に存在する同位体です。

名称記号1記号2存在比率陽子数中性子数質量数
軽水素H99.98%0
重水素HD0.015%
三重水素HTごく微量
名称別称安定性
軽水素プロチウム安定同位体
重水素デューテリウム安定同位体
三重水素トリチウム放射性同位体

水素同位体

軽水素【プロチウム】

陽子1個の水素同位体で、中性子はありません。自然界の水素のほとんどが軽水素で、約99.98%を占めている通常の水素原子のことです。「軽」という語がついている通り、最も軽い質量です。

安定性:安定しています。
使用例:自然界にある水や日常生活で使う水に含まれています。

同じような意味ですが、「軽水」という言葉があります。軽水は重水素をほとんど含まない通常の水(H2O)のことを指します。

重水素【デューテリウム】

陽子1個と中性子1個からなる水素同位体です。自然界の約0.015%程度しかありません。「重」という語がついている通り、軽水素よりも質量が約2倍もあります。

安定性:安定しています。
使用例:原子力発電所の原子炉の減速材・冷却材、医薬品、半導体・光ファイバーなど製造に使われています。

同じような意味ですが、「重水」という言葉があります。重水は通常の水素ではなく重水素に置き換わった水(D2O)のことを指します。

三重水素【トリチウム】

陽子1個と中性子2個からなる水素同位体です。自然界にはごくわずか(数値として表すことが困難なほど)しか存在しません。宇宙線と大気中の窒素や酸素と反応して生成されますが、それらの多くはトリチウム水となり、大気中の水分、雨水、海水、河川水などの自然界のあらゆるところに入り込んで、水の循環の一部となります。結果として私たちの体内にも取り込まれます。

安定性:放射性同位体です。弱いβベータ線を放射しながらヘリウムの同位体であるヘリウム3に変化して安定します。このβ線は非常に弱いエネルギーなので、通常の環境下ではごく微量なので、被爆による影響はほとんどありません。半減期は12.32年です。
使用例:原子力発電所の原子炉で人工的に生成されます。

ここまであげた水素同位体以外にも、四重水素、五重水素、六重水素、七重水素、八重水素が存在します。これらは実験レベルで合成された人工的なもので、天然には存在しません。

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炭素の場合

炭素の同位体は以下のものがあります。以下にあげたもののうち炭素12、炭素13、炭素14は天然に存在する同位体です。

名称記号存在比率陽子数中性子数質量数
炭素111111
炭素121298.93%12
炭素13131.07%13
炭素1414微量14
名称安定性
炭素11放射性同位体
炭素12安定同位体
炭素13安定同位体
炭素14放射性同位体

炭素同位体

炭素同位体

炭素11

陽子6個と中性子5個からなる炭素同位体です。

安定性:人工の放射性同位体です。安定するためにホウ素11へと変化しますが、このときに放射線を出します。半減期は20.38分です。
使用例:医療分野

炭素12

陽子6個と中性子6個からなる炭素同位体です。自然界に存在しますが、全体の約99.89%を占めていて、最も豊富に存在します。全元素の原子量を決めるための国際的な基準となっています。

安定性:安定しています。
使用例:一般的な炭素に含まれています。

炭素13

陽子6個と中性子7個からなる炭素同位体です。自然界に存在しますが、全体の約1.11%しか存在しません。

安定性:安定しています。
使用例:医療 / 化学 / 産業

炭素14

陽子6個と中性子8個からなる炭素同位体で、自然界に存在しますが、ごく微量にしか存在しません(1兆個の炭素原子に数個の割合)。宇宙線と大気中の窒素との反応で生成されます。大気中の二酸化炭素(CO2)によって生物界を循環しています。

安定性:自然界に存在する唯一の炭素の放射性同位体です。安定するために窒素14へと変化しますが、このときに放射線を出します。このβ線は非常に弱いエネルギーなので、通常の環境下ではごく微量なので、被爆による影響はほとんどありません。半減期は5730年です。
使用例:放射性炭素年代測定(例:生物が亡くなってから現在までの経過した時間を推定するための方法で、数万年単位で測定できます)

炭素の同位体としては、上にあげたもの以外にも、炭素8~22までを含めて、合計15種類が知られています。

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