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【地理】グレートプレーンズ・プレーリー・中央平原の違いは?

学習Q&A 地理
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アメリカの地理について

北アメリカ大陸にあるアメリカ合衆国本土の位置は、北緯25度~49度です。日本が最北端の択捉島と最南端の沖ノ鳥島まで含めると北緯20度~45度になるので、緯度の位置関係でいうと、日本とアメリカはほぼ同じです。

アメリカ合衆国は本土以外に、アラスカ州やハワイ州などがあります。

下の地図を見てみましょう。

アメリカ合衆国の地図に、ロッキー山脈・グレートプレーンズ・プレーリー・中央平原・アパラチア山脈の位置を示している。

西から順に、ロッキー山脈・グレートプレーンズ・プレーリー・中央平原・アパラチア山脈が縦方向に並んでいます。このように見ると、アメリカは、広大な平原が続いているイメージがありますが、意外と変化に富んだ地形であることが分かります。

グレートプレーンズ(great plains)とは、グレートは大きい、プレインズは平原という意味がありますので、まとめて「大平原」という意味になります。

プレーリー(prairie)とは、「大草原」という意味があります。プレーリーは日本でもなじみのある語です。

日本でも人気のプレーリードッグという動物がいます。プレーリードッグは、犬ではなくネズミの仲間ですが、北アメリカの大草原(プレーリー)に穴を掘って生息していて、犬と似たようなかわいい鳴き声を出すことが名前の由来といわれています。

また、1970~1980年代にアメリカのみならず、日本でも大ヒットした「大草原の小さな家」という家族ドラマがあります。動画サイトなどでチェックしてもらうと分かりますが、少し古い時代設定ながら、このドラマの風景がプレーリーの世界観の一面を見せてくれています。

グレートプレーンズ・プレーリー・中央平原の位置

一度地図を確認して、もう少し詳しく見てみましょう。先ほどの地図に西経100度の線(縦線)と人口100万人以上の大都市を加えてみました。

アメリカ合衆国の地図に、西経100度の線を引いている。また人口100万人以上の10都市の分布も示されている。

地図から何が分かるでしょうか?

  • まず、西経100度線を境にして、西側にグレートプレーンズ、東側にプレーリーがあることが分かります。
  • グレートプレーンズはロッキー山脈の東側に広がっています。ロッキー山脈に近いので、この大平原の標高は比較的高く、1000m以上の場所もあるので、高原状の土地といえます。大平原といっても日本の平野のような低地ではありません。
  • グレートプレーンズの東側からミシシッピ川までの間には、プレーリーが広がっています。植物が育ちやすく、栄養豊かな土壌(肥沃な土壌)となっています。
  • ミシシッピ川の本流に沿って、中央平原が広がっています。
  • グレートプレーンズ~中央平原にかけては、大都市が少なく、人口が少ないことも分かります。特にグレートプレーンズに人口密度はかなり低いです。

世界有数の農業地帯

アメリカは適地適作という農業を行っています。適地適作は、言葉の通り、場所によってふさわしい農業を行うということです。先ほどの地図にそれぞれの地域でどんな農業が行われているか見てみましょう。

適地適作とは、気候や土地の環境に合わせて農業を行うことです。適地適作によって、良い品質の作物を効率よく育てられます。このように農業の生産性を上げています。

下の地図に、大まかな農業分布を重ねてみます。

アメリカ合衆国の小麦・綿花・とうもろこし・大豆などの農業分布を示している。さらに放牧・大規模肥育場の分布も示されている。

地図から何が分かるでしょうか?

  • グレートプレーンズには、大規模肥育場(フィードロット)や放牧が広がっています。
  • ロッキー山脈がある西部地域は、広く放牧が行われています。
  • プレーリーには、小麦、とうもろこし・大豆などの農業地帯が分布しています。
  • プレーリーや中央平原は、世界有数の農業地帯で「世界の穀倉地帯」と言われています。このおかげで、アメリカは、小麦・とうもろこし・大豆については、世界でも上位(1~2位)の輸出量を誇っています。
  • 中央平原には、とうもろこし・大豆、綿花などの農業地帯が分布しています。
  • プレーリーや中央平原を中心として、広大な農業地帯が広がっています。

まとめ

下の表に、各地域の大きな特徴をまとめてみました。

グレートプレーンズプレーリー中央平原(※2)
自然高原にある大平原(草丈は短め)大草原(草丈は長め)大草原(草丈は長め)
標高約500~1500m低い低い
雨量年間500mmより少ない年間500mmより多い年間1000mm前後
利用放牧フィードロット(※1)など小麦とうもろこし大豆などとうもろこし・大豆・綿花など

※1 放牧とは、牛を草原に放し飼いにして育てること。フィードロットとは、大規模な肥育場で、出荷直前まで短期間で太らせて育てる場所。「フィード」(feed)とは英語で養うという意味があります。一般的には、放牧で数年である程度育った後、フィードロットに集められて、肉牛として出荷されます。

※2 ここでいう中央平原とは、狭い意味で使っています。広い意味では、グレートプレーンズ・プレーリー・(狭い意味での)中央平原を含めた広大な平らな土地全体(構造平野という)をまとめて指します。つまり中央平原の中にグレートプレーンズとプレーリーが含まれると考えることができます。しかし、一般的には、狭くとらえてミシシッピ川の流域だけを指して、アメリカの地理では、3つのエリアに分けて学習します。

上の表から何が分かるでしょうか?

  • 標高は、ロッキー山脈から中央平原に向けて全体的に低くなっていきます。
  • 逆に降水量は、全体的にロッキー山脈から中央平原に向けて多くなっています。西経100度が年間平均降水量が500mmといわれていて、そこから西側は500mm以下で降水量が少なく、東側は500mm以上で東に行くほど降水量は増えていきます。
  • これらの地域に共通するのは、農業がさかんということです。世界最大の経済大国でありながら世界有数の農業国でもあるアメリカ合衆国を支えている地域なのです。

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