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【化学】なぜ酸化銅は4:1の質量比で化合するのか?

学習Q&A 化学
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酸化銅とは?

理科の酸化や還元の実験でよく登場する酸化銅ですが、ここで、酸化銅の化学式を確認しましょう。

CuO (Cu … 銅原子 O … 酸素原子)

酸化銅のモデルも見てみましょう。

化学式やモデル図から分かるように、酸化銅は、銅原子1個と酸素原子1個から構成されています。

原子の数だけ考えると、質量比は単純に1:1に思えるかもしれませんが、そうではありません。質量比は銅:酸素で4:1になります。

なぜ、質量比は4:1になるのか?

原子は、物質の種類によって大きさや質量が異なります。

つまり、銅原子と酸素原子を比べても、原子の大きさや質量は違うのです。ではどのくらい違うのでしょうか?

物質毎の元素(原子の種類)の質量は、「原子量」という単位で質量を考えることができます。あくまでも原子どうしを比べるための相対的な数値と考えてください。

原子量とは、炭素を質量を12と定めて、それを基準として他の物質の原子量を考えます。下の表から例をあげると、マグネシウムの原子量は24なので、炭素の倍の質量ということが分かります。また水素の原子量は1なので、炭素の原子量のわずか12分の1しかなく、質量が小さいということも分かります。このようにお互いを比較して、原子の質量の違いを認識できます。

主な物質の原子量(原子量はおよその数値で一部を除いて整数に調整されています)

元素原子量
水素(H)1
炭素(C)12
窒素(N)14
酸素(O)16
塩素(Cl)35.5
硫黄(S)32
ヘリウム(He)4
56
銅(Cu)64(または63.5)
銀(Ag)108
マグネシウム(Mg)24
アルミニウム(Al)27
ナトリウム(Na)23
カルシウム(Ca)40
亜鉛(Zn)65

炭素の原子量は64、酸素の原子量は16になります。そこで原子量で比をつくってみます。(銅の原子量は63.5もありますが、今回は64を使います。)

64:16 を簡単な比にすると、4:1 になります。

酸化銅に関していうと、原子の数は1:1で反応していますが、質量比は4:1になることが分かりました。原子量はあくまでもおよその数なので、質量比もおよその比になります。実験などの結果を見ても分かりますが、完全な4:1になることを期待しないでください。

質量比を使って問題を解いてみよう

酸化銅の質量比を用いた問題はよく出てきます。ここでいくつかの例題をご紹介します。

銅:酸素の比は、4:1になりますが、酸化銅の比も覚えておきましょう。5になります。銅が4で酸素が1なので4+1=5 になるわけです。

銅・酸素・酸化銅の質量比の覚え方は「よいこさん」です。よ・い・こを数字に当てはまると、よ(4)・い(1)・こ(5)になります。全ての質量比は、4(銅):1(酸素):5(酸化銅)になるので、これで完璧に覚えられます!

それではこれから例題を考えます。4:1:5 の比を上手に使いながら解いていきましょう。

例題① 銅に反応した酸素の質量を求める

銅0.6gに完全に反応する酸素の質量を求めましょう。文字は「y」を使っています。

比例式は内側どうしと外側どうしをかけると等しくなることを利用します。
A:B = C:D → AD = BC

比例式は「左:右」と置くとき、左右の数字の置き方で計算を誤ってしまいますので、要注意です。例えば、以下の例題だと、0.6:y = 1:4 としないようにしましょう。

(1) 0.6:y = 4:1

(2) 4 × y=0.6 × 1

(3) 4y=0.6

(4) y=0.15

答え:0.6gの銅に完全化合する酸素は0.15g

例題② 反応後の酸化銅の質量を求める

銅3.0gを、完全に酸化させたときにできる酸化銅の質量を求めましょう。

「よいこさん」の必要な部分だけを使って計算します。
質量比 4:1:5の中で必要な部分はどこでしょうか。この場合は、銅と酸化銅の関係で質量を求めるので、銅:酸化銅(4:5)で比例式を組み立てます。(酸化銅:銅でもOKですが、その場合、左辺と右辺もそろえましょう)

(1) 3.0:y = 4:

(2) 4 × y=3.0 × 5

(3) 4y=15.0

(4) y=3.75

答え:3.0gの銅を完全に反応させてできる酸化銅は3.75g

例題③ 反応しないで残った銅の質量を求める

銅15.0gを加熱させたところ、完全に酸化しないで反応後の質量は17.0gになりました。このとき反応せずに残った銅が何gになるか求めましょう。

反応後の質量とありますが、なぜ質量が大きくなったのかを推測しましょう。それは銅が酸素と反応したからです。そこから反応した酸素が、何gの銅と反応したのか質量比から考えます。最後に銅全体から反応した分を引き算します。
下の図を見ながら考えましょう。

(1) 17.0ー15.0 = 2.0

(2) 2.0:y = 1:4

(3) 1 × y=2.0 × 4

(4) y = 8.0

(5) 15.0 ー 8.0 = 7.0

答え:反応せずに残った銅は7.0g

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