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【地理】政令指定都市って何? 東京に政令指定都市はあるの?

学習Q&A 地理
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政令指定都市はどんな都市か?

日本には、多くの地方公共団体自治体)があります。その数は1,700以上にのぼります。地方公共団体には都道府県、市町村、さらに東京には特別区(特別区については後述)があります。

今回は全国に幾百もある市の中でも、政令指定都市について取り上げます。政令指定都市というと大都市のイメージがありますね。実際どんな都市なのか考えてみましょう。

以下に政令指定都市の特徴をまとめてみました。

まず人口50万人以上が必要になります。以前は100万人以上でしたが、現在では人口の要件が下げられています。それでも、政令指定都市は人口がある程度必要だということが分かります。
※人口50万人を超えたら政令指定都市にならなければいけないわけではありません。

政令指定都市では都道府県レベルで行う多くの行政サービスを市で行っています。一部の業務内容を列挙すると、福祉(保健所を置くこと)・教育(小・中学校の先生を決めること)・公衆衛生(保健所を置くこと)・まちづくり(公園を置くこと)に関することなどがあります。
こうすることによって、政令指定都市は都道府県を通さないで迅速に仕事を進めることができます。

その他の大きな特徴としては、区があるということです。市がいくつかの区に分けられていて各区には区役所が置かれています。普通の市では市役所に行って、行政サービスを受けます。一方で政令指定都市に住んでいる人は、区役所でたいていの行政サービスを受けることができます。これによって政令指定都市は、市役所に多くの仕事が集中することはありません。人口が多くなると事務作業も増えるので、このような組織になっています。

このように政令指定都市は、特別な権限を持った規模の大きい市であることが分かります。

なぜ政令指定都市があるのか?

どうして政令指定都市を置く必要があるのかな?

人口が集中している地域は、活動も活発になるので役所の業務も膨大になります。そこに政令指定都市を設置します。政令指定都市には、本来都道府県が担当している業務が譲られることになります。それにより、都道府県を間に入れないで国と直接やり取りできるので、より速く効率的に行政サービスを進めていくことができます。

地方公共団体は別の呼び方として「地方自治体」や「自治体」がありますが、基本的に同じことを意味しています。

政令指定都市はどこにある・いくつある?

下の地図からどこに政令指定都市があるか見てみましょう。

政令指定都市はどこにあるでしょうか? 北から南まで全国にあります。しかし、全体的な傾向として「太平洋ベルト」に集中していることが分かります。太平洋ベルトとは、関東地方南部から九州地方北部にまで連なっている工業地帯や工業地域が集まっている総称です。このことから、産業が活発な所は、人が集まっていることが分かります。それに伴って、人口規模の大きい政令指定都市も多くなります。

地図から見ても分かるように全国に20の政令指定都市があります。以下に政令指定都市を一覧にまとめてみました。

8地方区分名称人口(千の位で四捨五入)区の数
北海道地方北海道札幌市197万人10
東北地方宮城県仙台市110万人5
関東地方埼玉県さいたま市132万人10
関東地方千葉県千葉市97万人6
関東地方神奈川県横浜市378万人18
関東地方神奈川県川崎市154万人7
関東地方神奈川県相模原市73万人3
中部地方新潟県新潟市79万人8
中部地方静岡県静岡市69万人3
中部地方静岡県浜松市79万人3
中部地方愛知県名古屋市233万人16
近畿地方京都府京都市146万人11
近畿地方大阪府大阪市275万人24
近畿地方大阪府堺市83万人7
近畿地方兵庫県神戸市153万人9
中国地方岡山県岡山市72万人4
中国地方広島県広島市120万人8
九州地方福岡県北九州市94万人7
九州地方福岡県福岡市161万人7
九州地方熊本県熊本市74万人5
※人口は令和4年7月5日現在 ※総務省の指定都市一覧のデータより

政令指定都市は各地方にありますが、偏っていることも分かります。そのため、神奈川県・静岡県・大阪府・福岡県には複数の政令指定都市があります。

政令指定都市にはどのくらい人がたくさん住んでいるでしょうか?

上の表から政令指定都市の人口を合計すると、2700万人以上になりますが、これは日本の全人口の約20%以上も占めます。日本にいる人の5人に1人は、以上の政令指定都市に住んでいるのです。しかし、面積を合計しても、日本のわずか約3%位にしかなりません。

このことからも、政令指定都市は人口が密集していることが分かります。

東京に政令指定都市はないのか?

東京にも区があります。千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区・品川区など、全部で23の区があります。どれもよく聞いたことがある名の知れた区ばかりです。これらはまとめて「東京23区」などと呼ばれています。東京23区の人口は約980万人以上になり、上記のどの政令指定都市よりもはるかに人口が多いです。

東京23区は、どこかの政令指定都市に属していますか?

東京23区は、政令指定都市には属していません

なぜ政令指定都市には属していないでしょうか? このことを理解するために、まず東京23区の区と政令指定都市の区の違いを説明します。

まず東京23区は、特別区と呼ばれています。それに対して政令指定都市の区は行政区と呼ばれています。では特別区と行政区は何が違うのでしょうか?

分かりやすくいうと、特別区は、全国にある市町村準じたレベルの自治体と考えることができます。それに対して、行政区は各政令指定都市に属している市の内部組織という位置付けです。

具体的に何が違うでしょうか? 具体例を下の表にまとめてみました。

特別区行政区
地方公共団体かどうか地方公共団体である地方公共団体ではない
区長の選び方各区の区長選挙で選べる市長が市の職員から選ぶ
議会各区に議会がある議会がない
小・中学校区立の学校がある市立の学校がある

上の表から、特別区は市町村レベルの行政をしていることが分かります。それに対して行政区は市の中にある組織であることが分かります。

以上のことから、特別区自体が市町村レベルに準じた自治体なので、さらに特別区の上に市を置く必要がないのです。そういうわけで東京には政令指定都市はありません。

最後に、この記事で扱ったことを図にまとめてみました。

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