南極と北極で同じこと

南極と北極はどこにありますか?
左のイラストを見てください。地球を巨大な球体としたときの真上と真下の部分になります。
実際の地球の地軸は少し傾いています。詳しくは中学3年理科の天体で学習します。
南極と北極の共通点は何でしょうか? どちらも寒い場所ということです。
地球上では南極と北極がとても寒い場所です。それは太陽からのエネルギーの受ける量が一番小さな場所だからです。
実験をしてみましょう。下のイラストを見てください。球体の真横を置きます。そこに横から光っている電球(太陽)を当ててみます。球体の真ん中(地球だと赤道付近)は、よく光が当たっていますが、逆に球体の真上(北極)と真下(南極)の部分は、光が当たりにくいことが分かります。

このことから、地球上で極地(南極・北極)が寒くなりやすく、赤道が暖まりやすいことが分かります。それで、南極と北極のどちらも寒い場所ということが分かります。
南極と北極で違うこと
南極と北極の決定的な違いは何でしょうか?
それは、南極には大陸があって、北極には大陸がないという点です。
南極には南極大陸があります。一方、北極には大陸はありませんが、そこには北極海という海が広がっています。北極海には海氷という暑さ数メートルの氷が年中浮いています。季節によって氷の量が変化します。

大陸(南極)と海洋(北極)は、気温にどんな影響を与えるでしょうか?
ここで、海洋と大陸の熱の伝わり方について考えてみましょう。まず結論からいうと、海洋と比べて大陸の方が暖まりやすく冷えやすくなります。逆に大陸に比べて海洋の方は、暖まりにくく冷えにくくなります。それはそれぞれの熱を伝える能力が違うからです。
なぜでしょうか? 簡単に言うと、大陸は固体で、海洋は液体だからです。
下のイラストを見ながら、みんなで「伝言ゲーム」をしている所を想像してみましょう。物質をつくっている粒一つ一つを人と見立てると、固体は隣り合っているので、伝言つまり熱がどんどん伝わっていきます。液体をつくる物質の粒はやや距離があって動き回っているので、伝えるためには固体よりは当然時間がかかります。気体をつくる物質の粒はさらに自由に動き回っているので、伝えるためにはもっと時間がかかります。

上のイラストをまとめると、物質は固体・液体・気体の順番で熱を伝えやすい性質があります。
このように熱は固体つまり大陸の方が伝わりやすいのです。熱さが伝わりやすいということは冷たさも伝わりやすいのです。このことから北極より南極の方が、より寒い所であることが分かります。
地球の最低気温は、1983年に南極大陸で計測されたー89.2度で、南極大陸の平均気温はー50度です。ちなみに北極海の平均気温はー18度ほどで、物質の状態の性質通り、南極大陸と北極海の気温は大きな差があることが分かります。
南極大陸はどこのもの?
世界には6つの大陸があります。その6つとは、ユーラシア大陸・アフリカ大陸・北アメリカ大陸・南アメリカ大陸・オーストリア大陸・南極大陸です。南極大陸以外の5つの大陸には、多くの国々があって、それらの国々は、6つの州に分けられています。しかし、南極大陸はどの州にもどの国にも属していません。つまりどこのものでも誰のものでもないのです。
みんな南極大陸を欲しがらないのかな?
かつては、大量の資源があると推定される南極大陸に魅力を感じ、いくつかの国が領有権を主張していました。しかし、1959年の南極条約によって、どの国も自分の領土だと主張できなくなり、そのかわりに平和のための利用することが決められました。
南極大陸には何がある?
どこかの国のものではありませんが、平和のために利用することはOKなので、多くの国が、科学的調査を行っています。現在、30か国が65か所の基地を設置していて、その基地を中心に様々な調査が行われています。日本も南極調査に熱心な国の一つで、日本所有の基地の数だけで4か所もあります。
南極はこのような巨大な大陸です。面積はオーストラリア大陸の約2倍になります。先ほど触れましたが、海洋よりも大陸の方がより冷えやすいので、結果的に南極大陸は世界で一番寒い場所になります。そのため、一部を除いて大陸のほぼ全域は雪や氷で覆われています。そのため、地球上にある氷の約90%が南極大陸にあります。
南極大陸には、実はどこでも年中真っ白というわけではなくて、砂が見えている場所もあります。しかし、いずれにしても人々が日常の生活を営むのには適していません。
南極大陸は、このようにどこの国にも属していないので、誰のものでもありません。あえていうと南極大陸は全人類の共有の財産といえるので、これからも将来にわたって平和の内に大切に扱っていかなければいけません。
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