歴史に対する苦手意識
定期テストは、定期テストの範囲であれば量は限られていますが、高校入試になると中学3年間で学習した全範囲になります。
歴史の苦手な人は、どこからどうやって手を付ければ良いのか分からなくなってしまいます。
学校では時間を軸にして最初から順番に学習するので、順番通りに学習しなければならないという固定観念があります。そのため、気合を入れて縄文時代から頑張ろうと思って取り組んでも、なかなか前に進まなくて途中で挫折してしまうのです。
何度挑戦しても途中で挫折してしまう。面倒くさいから後回しにしよう。。。
歴史は出来事の流れで理解するので、教科書の順番通りに学習することは決して悪いことではありません。そのことによるメリットもあります。しかしそのやり方だけに固執するとなかなか近現代まで到達しなくて、イライラしてしまいます。
そこで、順番通りにやっていてもうまくいかないという人におすすめの方法を紹介します。
その方法とは、、、
少し視点を変えてテーマごとに学習することです。
例:「貿易」をテーマでまとめてみる
テーマとは何でしょうか? 例えば、「文化」「都」「幕府」「天皇」「条約」「経済」など、例をあげるときりがありません。大きなテーマから小さなテーマまでいくらでもあります。その中から一つテーマを選んでノートやスマホのメモなどにまとめることができます。教科書などを普通にまとめるよりも、独自の視点でつくったノートなどは自分だけの貴重な情報源になります。
このように、色々なテーマでまとめてみると、今まで見えてこなかった歴史の別の面が見えてきて、もっと面白くなってくるかもしれません。
では、ここで一つ具体例をあげて考えましょう。今回は「貿易」というテーマでまとめてみます。
何時代 | 日本側の 当事者 | 貿易名 | 輸出品 | 輸入品 |
---|---|---|---|---|
平安時代 | 平清盛 | 日宋貿易 | 金・銀・蒔絵・硫黄・刀 | 宋銭・陶磁器・絹織物・書籍・美術品 |
室町時代 | 足利氏 | 日明貿易 (勘合貿易) | 銅・硫黄・刀剣・扇 | 明銭・生糸・絹織物・陶磁器・書画 |
安土桃山時代 | 商人 | 南蛮貿易 | 銀・銅・刀剣 | 陶磁器・生糸・絹織物・鉄砲・火薬・時計・ガラス製品 |
安土桃山時代 ~江戸時代 | 豊臣氏 徳川氏 | 朱印船貿易 | 銀・銅・刀剣・硫黄 | 生糸・絹織物 |
今回は「~貿易」という言葉のくくりで、4つの貿易だけをまとめました。
さらに詳しく、他の貿易や貿易相手国や貿易拠点なども調べることもできます。
上のようにまとめて見ると、どんなことが分かるでしょうか?
教科書・参考書・インターネットなどで、詳しく調べてみましょう。
・日本はかつて鉱山大国だった。金・銀・銅などが豊富にあった。
・輸入品として、絹織物が人気があったこと
・中世まではお金が輸入されていた
・日本の刀類はいつの時代も人気がある など
さらにもう少し詳しく調べてみましょう。
銀について…火山活動や地殻活動が活発な日本列島では、鉱産資源が豊富に採れました。安土桃山時代には、日本の採掘量は世界の約3分の1を占めるようになり、世界最大の銀大国でした。
絹織物について…近世以降日本では絹織物の生産が本格的に行われるようになりました。それまでは、高級品として海外(中国)からの輸入に頼っていたという事情がありました。
このようにテーマでまとめると、また違う側面が次々と見えてきます。今まで気がつかなかったことも掘り出すことができます。
学習方法を工夫することのメリット
歴史は時間の流れです。一方でテーマは時間の流れとは全く別の視点で見ています。両方をバランス良く取り入れながら、一つのことを色々な角度から見ることによって理解を深めることができます。そうすることによって記憶にもつながります。
入試問題はテーマごとに作成されている場合もある
入試問題によっては、ある特定のテーマにそって問題が作成されることがあります。歴史をひたすら流れでしか見ていないと、突然そういう角度で問題を出されると戸惑ってしまいます。そうならないように今回の記事のように学習するも大切なのです。
では、時代順とテーマ別で学習することには、それぞれどんなメリットがあるでしょうか?
時代順で考える:その出来事に至るまでの経緯やその後の展開を理解できます。まさに歴史の流れを把握することできます。
テーマ別で考える:他の時代との共通点や意外な所で関連していることが発見できるので、その出来事について新しい情報を得ることができます。
このように、それぞれの学習方法に良さがあります。
一つのやり方にこだわらず、いくつかの学習方法を組み合わせていきましょう。

時代順とテーマ別を組み合わせると、より深い学習ができる
その他の歴史の学習方法に関しては、以下の記事をご覧ください。

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