酸化銅は炭素で還元できる
下の式を見てみましょう。
これは酸化銅を炭素で還元したときの化学反応式です。
2CuO + C → 2Cu + CO2
酸化銅と炭素を加熱によって反応させると、銅と二酸化炭素が発生します。
酸化銅からみると銅が奪われてしまうことが分かります。このような反応を還元(かんげん)といいます。そもそもなぜ酸素は銅とのつながりをやめて、炭素と結びつくのでしょうか?
その理由は、酸素は炭素とも銅とも反応することが可能ですが、酸素:銅の結びつきと酸素:炭素の結びつきを比べると、酸素と炭素の結びつきの方が強いので、このような結果になります。それで、酸素は銅よりも炭素の方とくっつきやすいといえます。そのため、上の化学反応式の右辺のような結果になります。
原子どうしの結びつき方については、詳しくは高校の化学で学習します。原子の結びつき方は、いくつかのパターンがあって、それぞれ強弱があります。私たちの社会でも、色々な人間関係の結びつきがあります。家族・学校・近所の人などあります。それぞれの人間関係にも濃淡があるように、原子どうしの結びつき方のパターンにも濃淡つまり強弱があります。
酸化銅は水素でも還元できる
次に下の式も見てみましょう。
これは酸化銅を水素で還元したときの化学反応式です。
CuO + H2 → Cu + H2O
酸化銅と水素を加熱によって反応させると、銅と水が発生します。
この式も、上の炭素を使ったときの反応と同じような結果になります。酸素:銅の結びつきと酸素:水素の結びつきを比べると、酸素と水素の結びつきの方が強いので、このような結果になります。それで、酸素は銅よりも水素の方とくっつきやすいといえます。
この式には係数が付いていませんが、水素を使った反応の場合、係数をつけなくても原子の数が左辺と右辺で同じになるので必要ありません。
人間関係みたいに考えるとイメージしやすいかもしれません。酸素から見たら、最初は銅と結びついていましたが、より仲良くしたい方は水素だったので、相手を銅から水素に変えてしまいました。銅から見たら友達を奪われたという形になってしまいます。人間同士だったら色々とトラブルになりますが、原子同士だと結びつきの強弱でこのような結果になります。
ところで、酸化銅が銅に変わったことは、どのように確かめればいいでしょうか?
色で判断できます。酸化銅は「黒色」ですが、銅は「赤色」に見えます。銅は見た目から赤茶色と表現することもありますが、教科書で赤色と表現されていれば、それで大丈夫です。赤色といえばいちごの色を想像しますが、実際の銅の色は、そのイメージとは少し違います。しかし理科の世界では銅の色を「赤色」と答えてOKです。
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