【歴史】教科書の読み方・使い方

学習Q&A 歴史

教科書への苦手意識

テストがあるたびに、テスト範囲とともに学習ポイントについても知らされることがあります。その中で、「とにかく教科書を何度も読む」「教科書をすみからすみまで読む」と指示されることがあります。

このような指示があるとき、これまで皆さんはどのように反応していたでしょうか?

「教科書に書いてあることは、参考書や問題集に、同じような内容が書いてあるから、わざわざ読まなくても大丈夫じゃないか」と考えるでしょうか? 

そもそも教科書は文章形式になっているので、読書が苦手な人にとって教科書は、あまりページを開いて勉強したくないかもしれません。 

もちろん、参考書などは教科書の内容をうまくまとめているので、参考書を勉強するだけでも一定の助けにはなるでしょう。また問題集も解くことによって、想定問題にある程度対応できるのでテスト対策になるでしょう。

しかし、学校の先生は教科書から問題を作成する時は教科書のページの隅から隅までを使って問題を作成します。そのため、テスト勉強で教科書の内容をしっかりと把握することは得点アップに不可欠といえます。それで、是非教科書と仲良くなって自分の味方につけましょう。この記事では、教科書を読むときに、「やってはいけないこと」をいくつかのポイントとしてあげていきます。

やってはいけないこと

太字だけを目で追わない

教科書に主要語句として太字が所々に出てきます。太字は重要なので、もちろん覚えなければいけませんが、よくよく考えてみると他の参考書や問題集でも何度も出てくるものなので、何度も目にしている内に、いやでも頭に入ってきます。しかしそれ以外の部分は適当に流しがちになってしまいます。それでは得点をアップできません。それで、太字以外のいくつかの要素に注目して読みましょう。

以下に一つの文を例にあげて考えましょう。

源頼朝の死後、鎌倉幕府では頼朝の妻の父北条時政が握り、時政は将軍の補佐役である執権になりました。それ以降北条家が執権として幕府を率いていくことになります。一方、3代将軍源実朝が暗殺されて源氏の将軍が三代で途絶えると、京都で院政をしていた後鳥羽上皇が1221年に幕府を倒すことを目的に兵を挙げました。しかしこの戦いで上皇側は幕府軍に敗れました。この戦いを承久の乱といいます。その後、幕府は京都に六波羅探題を置いて、朝廷を監視するようになりました。

もしこの文中で「執権」「承久の乱」「六波羅探題」という太字の単語だけを拾って覚えたとしましょう。これを覚えただけでは何も役に立ちません。これらの語句の意味が分からないと、テスト問題でどの問いに対して答えれば良いか分からないからです。ただ単に太字だけを目で追っていっても、点数アップにはつながりません。

では、どうすればいいでしょうか?

単語に関わるいくつかの要素を考えながら読んでいきましょう。「何」「いつ」「なぜ」「どこ」「だれ」「どのように」などの要素(5W1H)を中心に見つけながら読んでいくのです。これらの要素を意識すると、上の例文からどんなことが読み取れるでしょうか? 例えば、、

執権」とは何ですか?将軍の補佐役です。 だれが担いましたか?北条家です。

承久の乱」はいつですか?1221年です。 だれが起こしましたか?後鳥羽上皇です。 なぜ起きましたか? 幕府を倒すためです。

六波羅探題」とは何ですか? 朝廷を監視するものです。どこに置かれましたか? 京都です。

上の要素を中心に読んでいくと、この短い文の中から、たくさんのことを知ることができます。太字以外の理解を深めていくと、よく分からない語句をただ頭につめこむ受け身の学習から、自ら知ろうとする自発的な学習へと変化していくでしょう。

以下の記事で執権についてさらに詳しく解説しています。

【歴史】鎌倉幕府の執権とは?
鎌倉幕府の中で執権はどんな役割を果たしましたか。執権と北条氏の関係・実朝亡き後の将軍と執権はどんな関係だったかを解説します。

マーカーや線をたくさん引かない

教科書を読みながら、マーカーや線をたくさん引いてカラフルにして満足して終わるというパターンになる人がいます。引くことにこだわり過ぎて、ただ引くことで勉強した気分になってしまうのです。いろんな色を使って教科書はにぎやかになりますが、あくまでも勉強した気分になっただけで身になっていません。線を引くだけでは覚えたことにはならないことを覚えておきましょう。線を引くだけでは記憶には不十分です。

それで、本当に大切な所だけに絞って引きましょう。意味なく引くことはやめましょう。

では、どんなものに線を引けるでしょうか? 以下に例をあげます。

例)先生が強調した所、テストに出ると言われた所、理解できなかった所、自分にとって忘れそうな所 等

後から読んだときに「引いておいて助かった」と思えるような観点で引きましょう。

何度も読む

テスト範囲の指示で「何度も読みなさい」とあるので、正直に受け止めてとりあえず何度か読んで終わりにするというのも、あまりおすすめしません。何の目的意識もなく読むだけでは、ただ無駄な時間が過ぎていくだけです。

この記事で考えたように、文中の太字以外の要素を意識して読んだり、本当に必要な所を探しながら線を引く作業を意識しながら読んでいくと、頭を働かせながら読んでいくことができるでしょう。そうすれば読むことは意義があるものになります。

そのためには、一回の作業だけでは不十分です。何度か読むことによって、最初に読んだときには気付かなかったのに、後から気付いてくることがあるからです。ですから一回の作業だけで、終わらせないようにしましょう。

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